サツマイモやイチゴが躍進 伸びた農産物ランキング 22年品目別産出額
タマネギも記録的高値で大幅増
農水省がまとめた2022年の品目別の農業産出額によると、消費のトレンドをつかみ、野菜ではサツマイモが躍進、果実はイチゴが首位を奪取した。一方、天候不順や生産資材高騰の影響を受け、供給が落ち込み産出額を落とす品目も目立った。「需要」に加え、「安定供給」も品目の選定の鍵となる。 【一覧表】50位までのランキング一覧 全体のトップは米で前年比2%増の1兆4015億円だった。米価が大幅下落した21年より増えたが、10年前と比べると3割減った。小麦と大豆は10年前と比べると、それぞれ7割増の547億円、4割増の407億円だった。当時は相場が低迷していたためで、前年比では減少した。輸入からの切り替えが期待されるが、現状は十分に進んでいない。 果実は多くの品目で増加傾向だ。その中で、イチゴの産出額は2019億円と過去10年間で最高。順位は8位で、果実としての首位をブドウから奪還した。産出額は10年間で3割高まっており、各県で相次ぐ大玉品種の登場などが上昇要因とみられる。 冬春の施設園芸品目では加温控えによる品薄高が広がった。 産出額が右肩上がりのサツマイモは同年、同1割増えて1111億円。焼き芋ブームの定着に加え、干し芋や芋スイーツの人気も根強い。主産地の北海道で、夏場の日照不足や降雨が響いて減少したジャガイモを抜いた。 最も上げ幅が大きかったタマネギは同3割増の1436億円。北海道産の不作で記録的高値となった影響。ダイコンは同1割増の812億円。北日本産が天候不順で品薄高が続いた。 豚とブロイラーがそれぞれ同5%増。高騰する輸入品の代替需要で、高値基調で推移したことが影響した。 一方、和牛は7912億円。増頭で出回り量は増えたが、物価高による節約志向から枝肉相場が軟調で、産出額は同3%増にとどまった。乳牛は、コロナ禍の需要低迷に伴う生産抑制により暴落し、同3割減の927億円だった。
日本農業新聞