ゲーム業界の最先端が集う「東京ゲームショウ2024」で浮き彫り、リメイク旋風とゲーミング環境の進化が示す新しい時代
単なるゲーム好きとしても、「あの名作がリメイク!」と言われたらとりあえず遊ばないわけにはいかない。常に最新技術で新しいものが生まれるゲーム業界においてノスタルジーは後ろ向きな印象を拭えないが、東京ゲームショウ全体では新作タイトルも多数展示されていたことを考えれば、むしろゲームの遊び方の選択肢が増えたといえよう。 ■「ゲームを遊ぶ環境」にお金をかけるケースも増加 ゲームの遊び方の選択肢といえば、ゲーミングライフスタイルコーナーが特に印象的だった。
ゲーミングライフスタイルコーナーは2023年から新設されており、ゲームを楽しむための家具や防音パネルを販売するメーカーが出展を行っている。今年もより出展社数が増えているようだ。 例えば、イケアやニトリはゲーマー向けの家具を出展したが、黒くてピカピカ光るようないかにもな部屋だけではなく、女性を意識したと思われる“ゆめかわ”な家具も多数展示されていた。 ■ゲームを遊ぶ人には適した環境が必要 リブランマインドはゲーム生活をより豊かにするゲーミングマンションを出展しており、大きな声で叫んでもまったく音が漏れない防音室をアピールしていた。
ゲームに明るくない人は、なぜそういった商品を販売する会社が出展するのか疑問を持つかもしれない。1つ言えるのは、必ずしも狭い部屋でひとり黙々と遊ぶばかりがゲームではない、ということだ。 それこそゲーム配信をして視聴者と一緒に盛り上がったり、あるいは仲間と共にボイスチャットをしながら対戦ゲームや協力ゲームを楽しむこともある。通常の賃貸であれば夜間にしゃべるだけで近所迷惑になる可能性があるし、盛り上がって叫んだりすることを考えればなおさらだ。
楽器を趣味とする人が防音マンションを求めるように、しゃべりながらゲームを遊ぶ人には適した環境が必要なのである。環境を整えるのであれば、インテリアも重要になってくるだろう。趣味でゲーム配信をしている人も今や少なくないわけで、こういった遊び方もまた選択肢の1つといえる。 東京ゲームショウ2024は、史上最大規模での開催となっている。11ある幕張メッセのホールにたくさんの企業や個人開発者がブースを構えており、新しい体験をもたらすものもあればノスタルジーを喚起するものもあり、ゲーム好きのための環境を提案するケースもあった。
年々ゲームは大きな文化になっている。東京ゲームショウ2024は、特にゲームの遊び方の広がりを目の当たりにするような展示会だった。
渡邉 卓也 :ゲームライター