なぜか日本の基金は「1年間の利回り分」だけしか使えない 高橋洋一が指摘
残っているのは利回りだけを使う基金ばかり
飯田)それだけ資金があれば、いろいろなところに集中投資できるかも知れないですよね。宇宙もそうですけれど。 高橋)使い切りにした方がすっきりします。使い切りにしたところで、財政的には影響がありませんから。 飯田)予算的には、基金に予算を入れた時点で執行済みという形になるのですか? 「あとは基金の方で差配してください」という感じで。 高橋)本当は、最初から使い切ることを前提に組めば、何年かしたらもう1回、国債を発行して、また基金をつくるだけなのですが。国債を発行して基金をつくる形にしなかったということですかね。安倍元総理も「なぜこうなったの?」という感じで、怪訝そうにしていましたよ。 飯田)そうだったのですね。もともと「単年度予算では長期投資ができないけれど、基金でやればもっと柔軟にできる」という発想だったはずですよね? 高橋)基金でやるとき、「使い切るか、基金を残して利回り分だけでやるか」ということで大きく違うのですよ。 飯田)いま、いろいろな基金ができていますが、利回りだけで進めているところが多いのですか? 高橋)そればかりです。使い切った方が、例えば5年で使い切ると、コストパフォーマンスを計算できるのですよ。「このようにやって、こういう成果があった」とできればいいのに、そうなっていないですね。 飯田)手仕舞いすると「誰がよくて、誰が悪かった」ということがわかってしまうからですか? 高橋)「それでいい」と思ったのですが、意外とそうなっていません。 飯田)何だかもったいない話ばかりですね。 高橋)もったいないですね。