生成AI活用はクリエイターへの冒涜? 批判されるAI広告やAIイラストの特徴や例
ネット上では「画像AI生成からクリエイターを守りましょう」というオンライン署名も立ち上がっており、多数の署名を集めています。この署名活動では、AI生成による無断学習や「一瞬でAIに駆逐されるゴミ」などクリエイターに対する侮辱の声などを問題視。「本来のクリエーターがいなくなったとしたら、そこをもとにして生成しているAI生成画像にも未来はありません。」と明言しています。 そのうえで「①画像・動画・音声・音楽・文章等の生成AIのような機械学習に用いたデータ元と同様の利用形態の生成物を伴う著作物の利用は、著作権法30条の4の権利制限の対象外とすること」などが求められており、署名活動を通じてAI法に関する議論も盛り上がりを見せています。
生成AIは著作者の利益を不当に害するもの?
生成AIは革新的な技術である一方「クリエイターの利益を不当に害するものであり、AI法を制定すべきものである」という見解も広がりを見せています。文化庁は「AIと著作権に関する考え方」素案をすでに公表しており、素案に対するパブリックコメントも募集したうえで結果を公表しています。 パブリックコメントで特に目立ったのは「著作権者の利益を不当に害する場合でなければAIによる著作物の無断学習が可能」とする著作権法の権利制限規定(30条の4)について。著作権者が自らの著作物を生成AIに学習させたくない場合でも、「AIと著作権に関する考え方」素案では規定からの除外が考えられないとされています。この点については批判的な声が多く、今後も議論が進むものと見られます。
生成AIの広告が好意的な反応を得ているケースもある
なおAI広告の中には、炎上せず、好評を得ているケースもあります。その一例にはマッチングアプリ「オタ恋」のAI広告が挙げられます。オタ恋のAI広告は2023年5月からスタートし、運営会社であるエイチエムシステムズは「男性は1.5~2倍程度、女性は3~7倍程度入会者が増加した」としています。 オタ恋のAI広告は「肥満体系の男性と綺麗な女性」の組み合わせのものが多く、その他には「筋肉ムキムキの男性と綺麗な女性」といったパターンのものもあります。 オタ恋の広告を一種のミームとして真似するインフルエンサーが現れているほか、筆者が確認したところオタ恋の広告だけを徹底的に分析するブログの存在なども確認できました。 ミームになるなど好意的に受け入れられるAI広告として、オタ恋は代表的なケースであることは間違いありません。オタ恋は「今後もAI広告やAIイラストを活用する場合の先行事例」として研究対象になる可能性が高いでしょう。
オトナライフ