生成AI活用はクリエイターへの冒涜? 批判されるAI広告やAIイラストの特徴や例
冒頭でも述べた通り、2024年3月には人気バンド「ゴールデンボンバー」が楽曲のジャケットに生成AIを用いたことで炎上。最終的に楽曲のジャケットは手書きと見られるイラストに差し替えられました。ゴールデンボンバーに対してネット上からは「クリエイターなんだから生成AIを使うべきではない」などの批判の声が寄せられました。 この炎上について同バンドの鬼龍院翔さんは「AI学習に使われて似ている曲が他の人の手によってできたとしても、それは僕も同じことで、今までの人生の中で聴いてきた音楽を学習して似ている曲を作っているに過ぎないと思っています」と見解を表明。 この見解を裏付けるように、鬼龍院翔さんは権利を持つゴールデンボンバーの全楽曲のデータファイルも公開。「是非音楽生成AIに流し込むなり学習させるなりしてください。」との呼びかけも行っています。
生成AI活用は「クリエイターへの冒涜」であるという声は大きい
ゴールデンボンバーの鬼龍院さんは「クリエイターなんだから生成AIを使うべきではない」という声に対しては、いわば真逆の見解を持っていると言えます。生成AIに対して前向きな見解を持っており、その証明として全楽曲のデータファイルの公開も実施しています。 つまりゴールデンボンバーの鬼龍院さんは、生成AI活用に対して「クリエイターへの冒涜」とは考えていないと言えるでしょう。しかし生成AI活用は「クリエイターへの冒涜」であるという声が非常に大きいこともまた事実です。そうした生成AIに対する極めて厳しい声の例も、いくつかご紹介します。 ■イラスト制作アプリ「Procreate」は「製品にAIを搭載しない」と表明
たとえば世界的なイラスト制作アプリ「Procreate」は「生成AIは私たちの未来ではない」として、製品に一切生成AIを取り入れることはないと明言しています。「Procreate」はプロフェッショナルや意欲的なアーティストを対象として提供されているイラスト制作アプリ。同社CEOのジェームズ・クーダさんは「個人的に生成AIは不愉快」としたうえで、以下の3つの方針を掲げています。 ・「NO 生成AI」 ・「あなたの作品は、あなたのもの」 ・「個人情報を守ることに誇りを持っている」 ■署名「画像生成AIからクリエイターを守ろう」も広まる