爆売れ中のホンダN-BOXのエンジンってVTECって知ってた?BEVも出る?
軽自動車のみならず、登録車も含めた新車販売台数でナンバーワンを記録し続けているバカ売れモデル、ホンダ「N-BOX」。軽自動車とは思えない質感が魅力のモデルですが、実はこのN-BOXのエンジンには、ホンダのエンジン技術として知られている「VTEC」(i-VTEC)が採用されています。 【写真】この記事のN-BOXを見るならこちらから VTECと、N-BOXに搭載されているi-VTECについてご紹介しながら、ホンダのガソリンエンジンはいつまで続くのか、N-BOXの将来についても考えてみましょう。
■中回転からドカンと出るパワーと低燃費、扱いやすさの両立したVTEC
VTECが初めて搭載されたのは1989年に登場した2代目インテグラでした。当時、エンジンのパワーアップを狙っていたホンダは、パワーアップには必須となる「エンジンへ空気をより多く取り込む」方法を考えていましたが、空気を多く取り込むと、低回転時にはパワーが出ず、アイドリングも不安定となるなど、跳ね返りが多く出てしまいます。 そこで、パワーが必要なエンジン高回転時にはバルブの開き方を大きくし、それ以外はバルブの開き方を小さくして低燃費を狙う可変機構を考えました。動作の切り替えには、ロッカーアームの中のピンを油圧で動かすという凝った仕組みを採用。それが「バリアブル(V)、バルブタイミング(T)、アンド リフト・エレクトロニック(E)、コントロール(C)システム」こと、VTECでした。 こうして、低回転では扱いやすく、中回転からドカンと出るパワーと低燃費、そして扱いやすさを両立したVTECが誕生。1989年のインテグラへの搭載以降、VTECは、初代NSXやS2000、歴代インテグラタイプR、歴代シビックタイプRなどのスポーツカーに順次搭載されていきました。
■3代目N-BOXには、優れた低燃費と済んだ加速を生み出すi-VTECが搭載
スポーツカー向けのVTECを開発する一方で、ホンダは、軽量コンパクトながら1クラス上の高出力が出せる特徴を生かした、環境志向のVTEC開発にも着手。吸気バルブの1本を休止する気筒休止システムや、吸気バルブ2本の開きを少なめと多めに切り替えるシステムなど、パワーと低燃費の両立を可能としたi-VTEC技術を順次開発したのです。そして、軽自動車用として初めてi-VTEC技術を採用したのが、2017年に登場した2代目N-BOX用のエンジン「S07B」でした。 従来モデルの自然吸気エンジンの時代から継承したVTC(連続可変バルブタイミング・コントロール機構)とあわせて採用することで、吸排気効率を大幅に向上させることができた2代目N-BOXは、低速から高速まで爽快な加速と、JC08モード27.0km/Lという優れた燃費の両立を実現することに成功。このi-VTECは、最新型の3代目N-BOXにも投入されており、WLTCモード燃費は21.6km/Lと、カテゴリトップクラスの低燃費を達成しています。回すほどに澄んだ加速を生み出すエンジン特性は、N-BOXの魅力の大きな魅力となっています。