「福島大の練習、エグイな…」男子選手も驚愕…なぜ“福島の国立大学”が女子スプリント界を席巻できた?「毎日がナショナルチーム合宿のようで」
初めての世界選手権出場…変わった意識
B標準とは世界選手権に出場するために必要な参加標準記録のこと。当時はAとBの二段階で設定されていたが、千葉は参加標準記録Bを突破し、その年の世界選手権ヘルシンキ大会に出場を果たした。日本人が女子400mで世界選手権に出場するのは史上初めて。オリンピックを含めても2人目という快挙だった。 「世界選手権のレースが衝撃的でした。52秒80でそんなに悪いタイムではなかったのですが、ダントツのビリ。世界はこんなにも違うんだって、驚きとショックでした。 ただ、そこから一気に世界が変わりました。今まで世界に行くのはなかなか難しいと思っていたんですけど、オリンピックも頑張ればいけるんじゃないかなと手応えを感じました」 オリンピックに出場することは、千葉にとって子どもの頃からの夢だった。その夢が手の届くところまで来ていた。 9月のスーパー陸上では外国人選手と競り合って51秒80と、再び日本記録を更新すると、2007年の世界選手権大阪大会では、女子短距離種目で日本人初の準決勝進出を果した。 2008年には現日本記録となる51秒75をマーク。そして、ついに日本代表として北京オリンピックの舞台に立った。 オリンピックの女子400mに日本人が出場するのは、実に44年ぶりの快挙だった。 <次回へつづく>
(「オリンピックPRESS」和田悟志 = 文)
【関連記事】
- 【つづき/#3を読む】「ひとりでは無理だと思います」4大会連続五輪出場なし…低迷中の女子ロングスプリント界“最古の日本記録保持者”が語る「世界への壁を崩すには」
- 【写真】「えっ、何頭身なの…?」400mで女子トラック“最古の日本記録”を持つ千葉麻美さん…現役時代の長~い手足とバッキバキの腹筋&引退から8年、39歳になった現在と高校時代の姿も。この記事の写真を見る。(50枚超)
- 【最初/#1を読む】陸上女子トラック「最古の日本記録」はなぜ16年も破られない?…400mで“歴代10傑独占”「ロングスプリント界の至宝」千葉麻美とは何者だったのか
- 【あわせて読む】「最後まで折り合いはつかなかったですね」インターハイ3冠も大学を1年で退学…陸上“歴代最強”高校女王が振り返る「過去の栄光との葛藤」
- 【こちらも読む】田中希実「じつは優勝していない」インターハイ…全国制覇した“同じ高校の天才少女”は何者だった?「中学生で高3生に圧勝」「東京五輪のホープ」