2025年大胆予想!トヨタが業界再編に参戦、スズキの持ち分法適用会社化も…ホンダ・日産だけではない生存競争が激化
■ トヨタとスズキの深い関係とは スズキが収益源の一つとするインド市場で両社は車両の供給面などで協業体制を深めている。スズキはインドを起点にアフリカ市場を開拓する戦略も強化しているが、そこを支援しているのがトヨタグループ大手商社の豊田通商だ。 さらに、トヨタ系サプライヤー幹部は「トヨタが世界中で販売する小型車の次世代『ヤリス』は、スズキの小型車『スイフト』とプラットホームを共通化するか、スズキからのOEM供給を受けるか、どちらかの可能性がある」と見ている。 トヨタは、軽自動車分野においてスズキと国内市場で競い合ってきたダイハツ工業を傘下に置いている。今後、トヨタとスズキの関係がさらに深まれば、開発リソースについて、軽自動車はダイハツに、排気量1リットルクラスの小型車はスズキにそれぞれ集約する可能性も出てくるだろう。 スズキは25年1月7日から米ラスベガスで開催される家電見本市(CES)に初出展し、「Impact of the Small(小さなものづくりが、大きく社会を変える)」をテーマに俊宏氏がスピーチする。 CESにはトヨタの豊田章男会長も5年ぶりに参加し、ウーブン・バイ・トヨタの戦略などについて世界にお披露目する予定だ。まるで歩調を合わせるかのように、トヨタとスズキの両トップが世界に向けて発信をすることになる。 「章男氏と俊宏氏の関係は非常にいい」(業界関係者)と言われる。俊宏氏はスズキに入社する前にはトヨタグループのデンソーで技術者として働き、トヨタ系列の中で譜代中の譜代と言われる内装部品メーカーの小島プレス工業の元社長の娘と結婚している。 修氏と、章男氏の父で、トヨタ名誉会長を務めた故章一郎氏も関係がよく、「修氏が章一郎氏を兄のように慕い、2人が元気な頃は年に何回か食事を共にしていた」(スズキ関係者)。筆者が見る限り、トヨタとスズキの創業家は2代続けて良好な人間関係が続いている。 前述したように俊宏氏の長男は、章男氏の長男が経営幹部を務めるウーブン・バイ・トヨタで修業した。トヨタとスズキの創業家間には太い人間関係のパイプがある。