「ゼロゼロ融資」 利用後倒産 1月は 40件 2カ月連続で 前年を 下回る、中堅規模が増加
2024年1月の「ゼロゼロ融資」利用後倒産は40件、2カ月連続で前年同月を下回る
2024年1月の「ゼロゼロ融資」を利用した後の倒産は40件(前年同月比18.3%減)で、2カ月連続で前年同月を下回った。件数は3カ月連続で50件を下回り、小康状態が続いている。 負債総額は108億1,600万円(同52.2%増)で、3カ月ぶりに100億円を上回った。件数が減少する一方で、負債が大型化したのは、負債10億円以上が2件(前年同月ゼロ)など中堅規模の倒産が増えたため。
【産業別】サービス業他が約4割
産業別では、サービス業他が15件(前年同月比28.5%減)で最多、全体の約4割(構成比37.5%)を占めた。 次いで、建設業9件(前年同月同数)、製造業7件(前年同月比250.0%増)、卸売業6件(同50.0%増)、小売業(同85.7%減)と運輸業(同75.0%減)、情報通信業(前年同月同数)が各1件の順。 農・林・漁・鉱業(前年同月ゼロ)と金融・保険業(同ゼロ)、不動産業(同1件)の3産業は発生がなかった。増加は2産業、減少は4産業、同数が4産業だった。
【業種別】建設関連2業種が各4件で最多
業種分類別(中分類)では、「職別工事業」と「総合工事業」が各4件で最多。 コロナ禍での受注減や工期延長に伴う資金繰り難をゼロゼロ融資でしのいだが、資材高騰が収益を圧迫し、事業継続を断念した。 次いで、「飲食店」3件が続く。コロナ禍の業績不振に加え、材料費や光熱費の高騰、人手不足が追い打ちをかけた。 このほか、「宿泊業」や「食料品製造業」、「洗濯・理容・美容・浴場業」、「社会保険・社会福祉・介護事業」などが各2件で並ぶ。
【形態別】破産が9割を占める
形態別は、破産が36件(前年同月比20.0%減)で最多。特別清算1件(前年同月同数)と合わせた『消滅型』倒産は37件(前年同月比19.5%減)で9割超(構成比92.5%)を占めた。 『再建型』は民事再生法が1件(前年同月ゼロ)で、2023年10月以来、3カ月ぶりに発生。 このほか、私的倒産の取引停止処分が2件(同3件)。