長い会議で貴重な時間を無駄にしないために すぐに使えるフレームワーク「OARR(オール)」とは
「OARR(オール)」とは、会議や研修を円滑に進めるためのフレームワークのことを意味します。会議で明確にすべき項目「Outcome(目標・ゴール)」「Agenda(議題・スケジュール)」「Role(役割)」「Rule(ルール)」の頭文字をとったものです。舟をこぐときに握る「オール(櫂)」に掛け、同じ目標に向かって航海に出るようなイメージから名付けられました。会議やオリエンテーションなどで、参加者に見通しを持ってもらうのに役立つメソッドです。
OARRを共有せずして舟は漕ぎだせない 会議で活用したいフレームワーク
会議やプロジェクトを主導するファシリテーターは、全体像をメンバーと共有できるよう、伝えるべきポイントを押さえなければなりません。こうした場面で物事を決めるために、有効なフレームワークが「OARR」です。 OARRを構成する一番目は「Outcome(目標・ゴール)」で、最も重要な項目です。メンバーがなぜここに集められたのかをはじめに共有する必要があります。通常業務で多忙なのにもかかわらず、新たな業務が増えるとなると、ネガティブな気持ちを持つメンバーも少なからず存在するため、「ここに集まった理由」を丁寧に伝えましょう。例えば、「この場は、1年後に会社が○○な状態になるために、人事がどのような施策を実施するべきかのアイデア出しをするためのものです」といったように、より具体的に伝えることで方向性を明示します。 二番目は「Agenda(議題・スケジュール)」です。Outcomeを達成するために、どのような道のりを歩むのか。舟の例で言うと、航路にあたります。「はじめの20分で問題点を洗い出し、次の10分で優先すべき課題を絞り込む。そして最後の30分で具体的な施策のアイデアをブレストする流れを想定しています」。そう伝えることで、メンバーも時間を意識してディスカッションに臨んでくれます。 何を期待されて自分が呼ばれたのかがわからないと、どのような視点で課題を眺めればいいのか迷ってしまうメンバーもいるかもしれません。そこで、三番目の「Role(役割)」です。「Aさんには、20代に響きそうなコンテンツを考えてほしい」「Bさんには、広報的な視点からアドバイスが欲しい」といったように、それぞれに期待することを伝えましょう。 その上で、四番目の「Rule(ルール)」。「発言は一人1分」「参考資料はクラウドで共有する」といったように、ちょっとした約束事を決めるだけで、メンバーの振る舞いが変わってきます。 もし、ファシリテーターがこれらのOARRを明示せずに会議を進めているようであれば、参加者側から質問してみましょう。目的地も航路も役割もわからなければ、協力して舟を漕ぎだすことはできません。