ホンダCR-V 水素燃料電池車で日本導入 しかもプラグインで電気でも走れるのだ
17.7kWhバッテリー搭載で60km以上のEV走行が可能
CR-V e:FCEVの大きな提供価値のひとつは、プラグイン充電機能を備えていることだ。つまり、プラグインハイブリッド車(PHEV)として使うこともできる。17.7kWhのリチウムイオンバッテリーを床下に搭載しており、バッテリー電力のみで60km以上の走行が可能だ(スペック上)。日常使いはEVとして、ロングドライブでは約3分で水素の満充填が可能なFCEVとして使い分け、どちらにしても静粛性が高く、スムーズでシームレスな加速が身上のモーター走行が味わえる。 発電用の水素に加え、大容量のバッテリーに多くの電気エネルギーを蓄えられるのがCR-V e:FCEVの特徴で、その特徴を生かしたエネルギーマネジメント技術を採用している。EVスイッチでAUTOを選択すると、バッテリー残量に応じ、燃料電池システムで発電する電力とバッテリーからの電力に関し、効率的なほうを自動で選択しながら走行する。SAVEモードを選択するとバッテリー残量を維持しながら走行。CHARGEモードは燃料電池システムで発電し、バッテリーを充電しながら走る。 EVモードはバッテリー電力を優先しながら走るのが基本。ドライバーの加速要求が大きい場合は燃料電池の出力でカバーすることになるが、EV走行可能な出力領域がメーターに表示されるため、メーターの表示を確認しながら、燃料電池システムを作動させないようアクセルペダルの踏み込み加減を調節できる。
給電機能もCR-V e:FCEVの価値
CR-V e:FCEVの提供価値はまだある。給電機能だ。左フロントフェンダーにはAC(普通)充給電口がある。家庭用をはじめ、100/200Vの普通充電に対応。また、Honda Power Supply Connector(ホンダ・パワー・サプライ・コネクター)を使うことで、家庭用コンセントと同様の100V電源として使うことができる。容量は最大1500Wだ。 トランク内右側にはDC給電口が備わっている。ホンダの可搬型外部給電器、Power Exporter(パワーエクスポーター)を使うことで大容量(最大6kVA~9kVA)の電力を取り出すことができる。電動工具を使う作業やレジャーではAC給電で充分。DC給電は非常時やイベントでの使用を想定している。 バックドアを開けて荷室を目にした際に「えっ?」となるかもしれない。CR-V e:FCEVは水素タンクを搭載する都合上、荷室に直方体の盛り上がりがある。セダンなら大きな犠牲になるところだが、そこはSUV。水素タンクの張り出しを積極的に利用するアイデアを提案している。 相応の重量物に耐えられるフレキシブルボードを水素タンク上面の高さに合わせてセットすると、上段に広大なスペースが出現。ベビーカーを飲み込むほどの広さがある。下段は買い物品を置くもよし。外から見えなくなるので、安心して使えるセキュリティスペースとしての使い方も可能だ。