田母神俊雄氏(75)「保守系都民の代表を目指す」 主な候補者の横顔 東京都知事選
「小池百合子知事は保守とはいえない。蓮舫前参院議員が名乗りを上げた。普通の保守系の都民が投票する人がいない」 自民党が独自候補の擁立を見送り、保守の立場から首都の行政に危機感を覚えて出馬を決意した。防災や都民税減税などの政策も公約に掲げるが、道徳教育の強化など国家の自立を東京から促す姿勢を強調する。 自衛隊に入隊するきっかけは、高校生当時全盛だった学生運動に巻き込まれることを懸念した父親の勧めで防衛大学校を受験したことから。卒業後は航空自衛隊で激務をこなし、「一番よくやってやる」と最高幹部にまで上り詰めた。 座右の銘は、旧民主党政権時の事業仕分けで、「2位じゃ駄目なんでしょうか」と述べた蓮舫氏の発言を引き合いに、「常に一番を目指してきた。勝たなければだめだ」と語る。 一方で、「国家や国民のためになるなら発言すべき」という姿勢で、先の大戦を日本の侵略とする見方に疑問を呈した論文を公表して、更迭されたことも。平成26年の都知事選に立候補して落選した際には、運動員に報酬を支払った公選法違反(買収)の罪に問われ、有罪判決が確定した。 その都知事選で応援に駆け付けるなど、親交を深めた故石原慎太郎元都知事からかけられた言葉が今回の都知事選に挑戦する支えにもなった。「一回飛び上がったら、航空自衛隊なんだから諦めたらだめだ」。 交流サイト(SNS)のX(旧ツイッター)で1日1回の投稿を心掛ける。安全保障に関することが多く、「(フォロワーの反応は)刺激になる」。毎朝腕立てや腹筋で体を鍛え、体力には自信がある。趣味はゴルフ。自分の年齢以下のスコアで回る「エージシュート」を昨年2回達成したという。 <たもがみ・としお> 昭和23年、福島県出身。防衛大学校卒。航空自衛隊に入隊し、平成19年に航空幕僚長に就任。20年に退官後は軍事評論家として講演活動などで幅広く活躍。26年の都知事選では、首都直下地震などの災害対応で自衛隊の活用などを訴えた。