「ディオール」初のメンズクチュール ダンサーのレガシーを讃える24年ウィンター
キム・ジョーンズ(Kim Jones)が手掛ける「ディオール(DIOR)」が、初のメンズクチュールとなる2024年ウィンターメンズコレクションを発表した。タイトルは「ヌレエフ」。男性ダンサーのルドルフ・ヌレエフ(Rudolf Nureyev)のスタイルをブランドのアーカイヴと融合させた。 【画像】横浜流星もショーに出席
20世紀の天才バレエダンサーが着想源に
バレエ「ロミオとジュリエット」の「騎士たちの踊り」の音楽が鳴り響く中、モデルたちが円形のステージに登場した。キムは今回、バレリーナのマーゴ・フォンテイン(Margot Fonteyn)とムッシュ ディオールとの関係について考える中で、フォンテインのもっとも有名なダンスパートナーとして知られたヌレエフの存在に目を止めた。 ヌレエフは1938年生まれ。「ニジンスキーの再来」とも言われる才能を持ち、フォンテインとのペアは後に伝説のパートナーシップと呼ばれた。「ヌレエフは、私の叔父であるフォトグラファーのコリン・ジョーンズ(Colin Jones)の関係で、私のパーソナルヒストリーとも密接に絡み合っている。元々バレエダンサーだった叔父は、このスターと親交があり、彼の写真も撮っていた」とキムは明かす。「騎士たちの踊り」も、1965年にヌレエフとフォンテインがロンドンで舞った演目だという。
プレタポルテとオートクチュールを併存
ショーではプレタポルテのリアリティとオートクチュールのドラマチックさの両方を表現。「今回のコレクションは、もといプレタポルテとオートチュールの両コレクションは、コントラストをテーマにしている。ディオールというメゾンにおける、プレタポルテとオートクチュールのコントラストだ。それはまた舞台と舞台裏の違いであり、ヌレエフのダンサーとしての人生と実生活との違いでもある」とキムは語る。 バレエシューズをイメージしたシューズはもちろん、ジップ付きウールジャンプスーツやショートパンツ、セカンドスキンを思わせるリブニットなどもダンサーのライフスタイルを彷彿とさせる。シルクジャージーのダンサー用ツイストターバンはスティーブン・ジョーンズ(Stephen Jones)が1999年にウィメンズコレクションのためにデザインしたもので、今シーズンは素材を変え、メンズのフォルムに応用された。