京町家で「買わずに作る」暮らし、お金に頼り過ぎない日々は心の余裕にも。
日用品やキッチン道具はハギレを活用して製作。
服の製作過程で出るハギレをまとめて保管し、時間がある時に鍋つかみやティーコゼーなどのキッチン道具や小豆カイロ、名刺入れ、はたきなどの日用品をつくっている。買わずに済むうえ、愛着のある布も活用できて一石二鳥。
◎捨てずにもうひと役。
精米で出たぬかを使って床掃除。
精米した際に出るぬかを使ったお手製の掃除グッズ。ぬかを何回分かためておき、目の細かい布に入れて縫いとじるだけ。「水で湿らせてから床を拭くと、ぬかの油分でしっとりして、つやも出るんです」
果物の皮や種を入浴剤や化粧水に。
みかんの皮は「干して入浴剤としてお風呂に入れると体が温まります」。そのほか、煮出して掃除用スプレーとしても活用中。ゆずの種を焼酎に数日間漬けた手づくり化粧水は、毎日顔や体につけている。
虫食いセーターはレッグウォーマーや愛猫の布団に。
虫食い穴が開いてしまったうえ、猫が汚してしまったセーターもひと工夫加えて新たな形に。「何かにできないかなと考えて、猫の布団にしてみました」。腕の部分はレッグウォーマーに変身。
◎お気に入りを使い回す。
道具は使い回せるものを選ぶ。
道具はあれこれ買わず、厳選したものを何通りにも使用。琺瑯製のストッカーは、調味料入れや味噌汁用の小鍋、揚げ鍋として活用。ざるはおにぎりやパンを盛る皿にするほか、フルーツやお菓子をのせたり、茹でた野菜を上げたり、野菜を干したりと大活躍。
美濃羽まゆみ さん みのわ・まゆみ 手づくり暮らし研究家 ハンドメイド子ども服・おとな服ブランド「FU-KO Basics.」主宰。子どもの居場所「くらら庵」を運営。インスタグラム@minowa_mayumi。
撮影・福森クニヒロ 文・嶌 陽子
『クロワッサン』1111号より
クロワッサン オンライン