スキマスイッチは“共作”─例えば片方が歌詞に悩んだときはどうする?
1曲の中でも2人の歌詞が入る曲もある
ここで、槙野が普段のスキマスイッチの楽曲制作について質問する。 槙野:スキマスイッチの歌は、常田さんがまず曲を作ることから始まるんですか? 常田:うちは珍しくて、(大橋)卓弥も僕も作詞・作曲ができるので、お互いにネタを持ち寄って、「これいいね」「歌詞はどっちが書く?」とか。先に曲を作るので。 市川:曲によってバラバラなんですね。 常田:バラバラですね。さらにそれも明かしてなくて。作詞作曲は2人の名義にして。実は個性は分かれているんだけど、聴く人に予想してもらったりして。 槙野:例えば1曲の中でも2人の歌詞が入ったりしているんですか? 常田:もちろん。共作なので。1人が「この歌詞が出なくてずっと考えているんだよね」ってなったらもう1人が「こうじゃない?」って言って「それ採用」って。そういうスタイルですね。あとアレンジっていう伴奏を作る作業も2人でやっていて。実作業は僕なんですけど、アイデアは卓弥も言ってくれて、それを僕が全部音にして確認しています。うちはプロデューサーがいないので。 楽曲制作で2人が衝突するのは日常茶飯事だという。 常田:やっぱり2人組は、正解って結局なくなっちゃうので。好き嫌いになっちゃうから。その部分で「なんでこれについてこんなこと言うんだろう」って思うこともあるし、向こうも思っているし。僕はA、卓弥はB、という感じでもめたら、「Cを作ろうよ」って言って新しいものを生み出してずっときていますね。 市川:アルバムというものにこだわりはありますか? 常田:もっと言うとCDに(こだわりを持っていますね)。僕らはCDで育って、大事なものを手に持ってほしいという感覚があるので、なるべくCDとしてパッケージしています。曲間があって、このタイミングで次の曲がきてほしいってあるじゃないですか。この次の曲はこれがいいとか。個人的にはそういう風に聴いてきた人なので。もっと言うとリピートしたときのタイミングなんかも2人でどういうのがいいかなって最後の作業のときは話していますね。 槙野:そんなに考えているんですね。 スキマスイッチは約2年7カ月ぶりとなる記念すべき10枚目のオリジナルアルバム『A museMentally』を7月10日(水)にリリースする。 常田:今回はCDだけの曲も入っています。配信では入れずに。 槙野:今の若い子たちはCDを手に取ったことがないのかな。 市川:アルバムをまるごと聴くっていう習慣がないかもしれないですね。1曲1曲を聴いていて。 常田:この3曲目があるから8曲目が生きてくるとか考えて作っていますからね。