【袴田巌さん再審】やり直しの裁判で「無罪」判決…静岡地裁は「3つの証拠を捜査機関がねつ造した」と認定
Daiichi-TV(静岡第一テレビ)
58年前の一家4人殺害事件で死刑が確定した、袴田巌さんの再審=やり直しの裁判で静岡地裁は「無罪」判決を言い渡しました。犯行着衣や取り調べ調書など「3つの証拠を捜査機関がねつ造した」と認めました。 袴田巌さんは1966年、みそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして1980年に死刑が確定しました。袴田さんが無実を訴える中、2014年、静岡地裁が再審開始を認め、袴田さんは48年ぶりに釈放されました。その後、検察側が不服を申し立てたことで審理は長期化しましたが、2023年、東京高裁が裁判のやり直しを認めました。 静岡地裁で開かれた再審公判には、精神状態を理由に免除された袴田さんに代わり、姉・ひで子さんが出廷しました。 再審公判で最大の争点となったのは、事件から1年以上たってみそタンクから見つかり、犯行時の着衣とされた「5点の衣類」です。これについて、静岡地裁は「捜査機関によって血痕をつけるなどの加工がされた」と指摘。袴田さんの実家から見つかったズボンの共布も「捜査機関によってねつ造されたもの」と認めました。さらに、袴田さんが自白した取り調べの調書は「非人道的な取り調べによって獲得され、実質的にねつ造されたもの」として、袴田さんに無罪判決を言い渡しました。