台南の日式宿舎群、修復工事の起工式 新たな観光名所として期待/台湾
(台南中央社)日本統治時代に建設された南部・台南市永康区の日式宿舎群が修復されることになり、起工式が13日、現地で開かれた。修復には1億2000万台湾元(約5億7700万円)超を投じ、2027年に完了予定。市は同所が新たな観光名所になることに期待を寄せている。 修復されるのは「旧台南農校日式宿舍群」。南西側の2棟と北東側の2棟、計4棟が修復の範囲となる。市文化資産管理処の資料によれば、宿舎群は1939(昭和14)年の台南州立台南農業学校創設後、40年から43年にかけて相次いで建てられた。2009年には市の歴史建築に登録された。主構造の保存状態が良好であることや地域にとっての歴史的意義の他、学校建築の変遷を見て取れることが登録理由となっている。13年から16年にかけて骨組みの補強工事などが行われたが、今年が台南にある台湾最古の城、安平古堡(ゼーランディア城)の建設400周年の節目の年に当たることから修復工事の始動を決めた。 起工式では工事の安全を祈願し、黄偉哲(こういてつ)台南市長ら関係者が地面をつちでたたく儀式を行った。黄市長は、市内で日本統治時代建設の宿舎群が相次いで修繕・修復されていることに触れ、旧台南農校日式宿舍群の修復工事が予定通り完了し、かつての姿を取り戻せるよう願った。 (楊思瑞/編集:名切千絵)