20年以上モーレツ社員だった私の「鋼のメンタル」が突然“絶不調”になったワケ
● 同僚社員の突然のメンタル不調が 挫折と成長のきっかけになった その後、私は、事業全体をマネジメントする仕事に就きました。市場のニーズを発見し、ゼロから事業を立ち上げて、拡大させていく仕事がこれまでになくエキサイティングで、更に仕事にのめり込んでいきます。 市況の変化も追い風になり、事業を拡大させていくことに成功しました。大学院で学んだことを実務で使いながら、これまで培った営業スキルが私の武器でした。基本的なビジネスモデルが確定し、組織拡大に差し掛かった時、これまでに体験したことがない事態が発生しました。 直近まで一緒に元気よくクライアントワークをしていた社員が、突然メンタル不調になり、休むようになったのです。 スタートアップのフェーズにおいて、組織管理の難しさを知識としては知っていましたが、前触れもなく一緒に働いていた社員が、しかも急にメンタル不調になったことに私はショックを受けました。事業の成長は、一緒に働く社員がいて初めて実現できます。 機会コストを含めた損失についてもですが、一緒に働いていた仲間がいなくなることによる組織への影響は、それ以上に深刻です。 社員がメンタル不調になる前に、私に対処することはできなかったのか。そのようなことが起きないための仕組みはないのか、どうすればよかったのかと考え続けました。この出来事が私にとって、大きな挫折と成長の機会となっていきます。
● 自分がメンタル不調になる タイミングを知ることは難しい 一緒に働いていた社員が突然メンタル不調になり、組織運営の難しさを経験したと同時に、私自身もメンタル不調になります。 私は、自分で、自分は鋼のメンタルだと自負していました。幼少期から競泳をし、大学受験で挫折を味わいながらも、新卒からの激務、大学院でのハードワークとなんでも乗り越えられると思っていたのです。その私が、なぜメンタル不調になるのか分からずにいました。 特別にストレスがかかっているとも思っていなかったので、その時の感情は、辛さよりも驚きに似たものでした。更に私は、その状況を受け入れることができず、抗い、事態を悪化させることになりました。 メンタル不調は誰にでもなる可能性がある、自分がメンタル不調になるタイミングを知ることは難しい、と我が身を持って体験しました。 今でこそ、その事実を分析し、理解していますが、当時の私は自分ごととしては全く理解していませんでした。メンタル不調になったことがない方の多くは、おそらく、当時の私と同じ程度の理解レベルなのではないかと思います。 私がメンタル不調に気付いたのは、夜、寝られなくなったことからでした。夜遅くまで仕事をしてベッドに入るのですが、気が付くと、まだ暗い早朝に目が覚めます。