雷部屋前で新番付表を手に笑顔を見せる獅司。左は雷親方（撮影・鬼束羽瑠菜）

　日本相撲協会は28日、大相撲九州場所（11月10日初日、福岡国際センター）の新番付を発表した。ウクライナ出身初の関取、獅司（27＝雷）が、東前頭16枚目で新入幕を果たした。福岡市西区の部屋であらためて喜びを語った。 【イラスト】24年九州場所新番付（幕内・十両） 　心境を「うれししです」と言い、番付表を見た感想も「うれししです」と持ちネタを連発した。 　20年春場所で初土俵を踏み、約4年半で幕内に上り詰めた。十両は昨年名古屋場所から8場所、経験して今年名古屋場所から11勝、9勝と勝ち越しを重ねて番付を上げた。「幕内に上がれてよかったです。幕下でもっともっとかかった。十両で1年、早いです。自分ではもうちょっと時間かかると思ったです」。 　元小結垣添の雷親方が部屋を再興して初の幕内力士。「本当にうれししですね。上がる素質あると思っていた。ホッとしてます。幕内上げるのが自分の仕事と思っていた。よかったです」と笑顔を見せた。 　ロシアの侵攻により、いまだ戦時下にある故郷への思いも強い。「（家族への連絡は）今日はまだ。今から電話します。ウクライナのママに連絡します。（先場所は）勝ち越した時に連絡しました。ママもうれししです。みんな、うれししです。ママ、パパ大変だから獅司頑張らないといけない。頑張ってママ、パパにお金送ります」。 　師匠の雷親方は「幕内に上がれば三役も狙える」と期待。母国ウクライナを背負って、さらに上の番付を目指す。