パロマ持ち株会社、富士通ゼネラルを2560億円で買収へ 7月にTOB開始目指す
給湯器大手のパロマ(名古屋市)の持ち株会社パロマ・リームホールディングス(HD、東京都)は6日、空調機器大手の富士通ゼネラル(川崎市高津区)の買収を目指し、株式公開買い付け(TOB)に乗り出すと発表した。買い付け総額は約2560億円。7月をめどにTOBの開始を目指す。成立すれば富士通ゼネは上場廃止となる。 富士通ゼネは同HDの米子会社で空調、給湯事業を手がけるリームと製品の相互供給や共同開発などで連携している。同日の取締役会でTOBに賛同する意見を表明。株主に対し、TOBへの応募を推奨することを決議した。 公開買い付け価格は、普通株式1株につき2808円。最大の株主である富士通が所有する富士通ゼネ株式の取得価格については、パロマ・リームHDと富士通の間で1株1995円とすることで合意した。 同HDは空調と給湯の両事業を手がけるグローバル企業グループで、世界15カ国に拠点を置き、85カ国で事業展開している。小林弘明社長は「富士通ゼネラルの経営の独立性を尊重しながら、協業していくことで合意した。脱炭素化社会実現へ向けたイノベーションを加速する」とコメント。 富士通ゼネは不採算部門から撤退するなど構造改革を進めており、「これまでの協業の実績を基盤に、相互補完的なシナジー効果が見込まれる」としている。
神奈川新聞社