活躍が期待されるサウスポー、都市対抗野球でプロが注目する選手たち:投手編
2023年秋のプロ野球ドラフト会議では、社会人球界から14選手(投手10名/打者4名)が指名された。当然ながら7月19日に開幕する第95回都市対抗野球大会にも、2024年のドラフト候補が顔を揃えている。
「注目選手紹介」の前編は、第95回大会に出場するプロ注目の5投手を紹介する。投手はどの球団も一軍の頭数が不足気味で、左腕は特に需要が高く、即戦力ならなおさらだ。まず注目左腕を3名挙げたい。
中島悠貴(エイジェック/茨城トヨペットから補強)は急成長を見せている左腕で、入社2年目の24歳。日本大学時代はリーグ戦通算で3試合しか登板経験がなく、新興チームの茨城トヨペットに進んだ。
176センチ・82キロとそこまで大柄ではないが、速球はコンスタントに140キロ台後半を記録し、最速も150キロ台。ENEOS、トヨタ自動車といった強豪チームを相手に好投し、一気に評価を上げている。
制球力、スライダーの質もハイレベルで、十分にプロ入りを意識できるレベルだ。チームは北関東予選で敗れたが、エイジェックに補強され、東京ドームデビューを視野に入れている。都市対抗の投球内容次第では、中位指名もあるだろう。
吉田聖弥(西濃運輸)は伊万里農林高校出身の22歳で、入社4年目の左腕。東海予選は主戦として起用され4試合、27イニングの防御率は「0.00」だった。彼も176センチ・77キロと「中型」だが、最速150キロ台の速球とチェンジアップが武器。
東海予選は32奪三振、7四死球と「K/BBレシオ」も抜群だった。昨秋の日本選手権は2試合に登板しているが、都市対抗は未経験で、東京ドームデビューが楽しみだ。なお、同学年の長崎県出身者にはドラフト1位候補の右腕・中村優斗(諫早農業→愛知工業大学)がおり、2人は揃って東海地区のチームで急成長を見せた。
沢山優介(ヤマハ)はポテンシャルの評価が高い大型左腕だ。187センチ・83キロのサイズを誇る彼は、掛川西高校から入社して3年目と指名対象の世代。祖父の出身地ブラジルの代表として、WBC予選を戦った経歴の持ち主でもある。