2カ月ぶりに「師弟三番稽古」が実現!稀勢の里対大の里は新大関が7勝5敗
連続優勝が懸かる大相撲九州場所(10日初日、福岡国際センター)に向け、新大関・大の里(24=二所ノ関部屋)が5日、福岡市西区の同部屋で師匠の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)と12番連続で取って7勝5敗。体調不良で秋巡業を離脱した影響を感じさせない動きを披露した。 異例とも言える師匠と大関の三番稽古は秋場所前の9月2日以来。その時は10勝7敗と勝ち越し、師匠が得意とした左おっつけを体感。秋場所で実践して2度目の優勝につなげた。この日は師匠が大関に声をかけて2度目の「師弟三番稽古」が実現。引退して5年半以上が経った第72代横綱は現役時代を彷彿させる闘志むき出しのオーラを漂わせ、右喉輪やはず押しを繰り出し、激しい差し手争いでも優位に立って大の里を追い込んだ。大の里も師匠譲りの左のおっつけに加え、先に右上手を引いて攻め込むなど成長の跡を示した。白熱の攻防が繰り広げられた12番は大の里が7勝、二所ノ関親方が5勝。大の里は「昨日(4日)連合稽古に参加し、場所に向けて追い込んでいるなかで、(師匠に)稽古をつけてもらって有り難い。(師匠は)相手の嫌がるとろこをついてくるし、今回もいい稽古になりました」と感想を述べた。 二所ノ関親方は左四つ対策も大の里が強くなるうえで必要だと考えていた。部屋の兄弟子、十両・白熊は右四つ。左四つは幕内上位でも小結・若元春ら数少ない。「突き押し、左四つ、いろんなタイプと稽古した方がいい。左四つは少ないので何なら自分が」と自らが稽古相手に名乗りでた。前回の対戦は左を差し勝つ場面も多かったが、この日はなかなか得意の形になれず「だいぶ(稀勢の里)対策が進んでいるな」と苦笑い。続けて「稽古始めの頃は心配したが、(大の里の)調子は上がってきている」と分析した。 大の里は10月の秋巡業で体調を崩し途中離脱。福岡入り後の同29日から本格始動した。4日の二所ノ関一門連合では琴桜と三番稽古で11勝9敗。本人のなかでは足らない部分も感じているが「焦りはない。年間最多勝なども特に意識はしていないし、基礎運動などしっかりやって初日に向け準備したい」と話した。 ◆師弟三番稽古 (1)●二所ノ関 寄り切り 大の里○ ※右上手引いて出る (2)●二所ノ関 寄り切り 大の里○ ※もろはずから一気 (3)○二所ノ関 寄り切り 大の里● ※もろ差し (4)○二所ノ関 首投げ 大の里● ※土俵際で粘り勝ち (5)●二所ノ関 寄り切り 大の里○ ※左おっつけ (6)○二所ノ関 寄り切り 大の里● ※左差し勝つ (7)●二所ノ関 寄り切り 大の里○ (8)●二所ノ関 寄り切り 大の里○ ※左おっつけ (9)○二所ノ関 寄り切り 大の里● ※左四つ十分 (10)●二所ノ関 押し出し 大の里○ (11)○二所ノ関 寄り切り 大の里● ※左差し右上手十分 (12)●二所ノ関 押し出し 大の里○