【高校バスケ】京都精華学園、崖っぷち3連覇&3冠「3年寿命縮まったけど5年長生きできる」監督
<ウインターカップ2024全国高校バスケットボール選手権:京都精華学園59-54慶誠>◇28日◇女子決勝◇東京体育館 京都精華学園が慶誠(熊本)を下し、史上2校目となる大会3連覇(3度目)を成し遂げた。昨年に続く全国総体、U18日清食品トップリーグとの2年連続3冠の新たな偉業も達成。就任50年目の山本綱義監督(74)が「休憩の年」と位置づけた力のないチームだったが、数々の接戦をものにする底力を発揮して、女王の座を守った。 ◇ ◇ ◇ 熱気がこもるコートの中央で、女王たちが華やかな最後を彩った。林咲良(3年)は主将としての仕事を終えた後、膝に手をやって号泣した。「新チームになってから結構不安があって。プレッシャーとかもあったんですけど、最後勝ち切れてめっちゃうれしいです」。 一時は10点差をひっくり返された。それでも引き離されることなく、すぐさま逆転。第4Qも残り51・5秒で2点差まで詰められるが、また引き離して勝ち切った。全国総体、U18日清食品トップリーグで優勝を決めた試合はいずれも点差はわずか。今大会も優勝までの道のりはずっと険しかった。崖っぷちでつかんだ栄冠に山本監督は「このチームで3年は寿命縮まったけど、この優勝で5年は長生き出来る」と笑った。 指揮官が「休憩の年だね」と位置づけるほど、今年のチームに力はなかった。林ら選手たちはそれを自覚しているからこそ、「連覇」はあえて口にしてこなかった。「予選で負けるとも言われてきて。それが本当に悔しかった」と林。反骨心をバネに、大会3連覇と2年連続3冠。22年ウインターカップから連続Vも「7」に伸ばした。 山本監督自身が校長を務める同校は、中高一貫制を取り入れる。半数以上が内部進学者で、勝利に必要と説く「結束力」を高めてきたが、強さの秘訣(ひけつ)はそれに以上にある。高校では外部からの入学者を1年時から積極的に起用。競争心をかき立て、選手層を厚くしてきた。山本監督は「結束をすることで大きな力が出る。それを実践してくれたことが、私の大きな宝になりました」。また1歩、常勝軍団として成長した。【大島享也】