<AIの米中覇権争い>新たな技術が変える軍事バランスと安全保障リスク
軍事に限らない懸念
留意すべきは、情報収集・処理能力、体制構築、兵器の選択、作戦能力、後方支援体制の強化や効率化など、あらゆる面でAIの活用の余地があるが、同盟国間では、この面での協力関係の強化と、同時に汎用性あるAI技術の非友好国への流出防止などが課題となってくるのではないか。 さらに、防衛省が「認知領域」と呼ぶ平時の情報戦におけるAIの活用も重要で、日本周辺には、情報操作に熱心な国もあり、SNSその他の手段を用いた偽情報や気付かぬうちに世論操作が行われる可能性もあり、そのような手法はAI技術を利用することによりさらに巧妙になるであろう。これら情報戦に対抗し情報操作を暴き是正するためにもAI技術の活用は有効と思われる。
岡崎研究所