2浪早稲田「妹に進学を先越された」彼が抱く絶望。妹に対するコンプレックス、それでも早稲田に挑戦する日々
「開示はしていませんが、おそらくどの学部も4割も取れてないと思うので惨敗です。日東駒専(日本大、東洋大、駒澤大、専修大)に受かるくらいの学力だったので、結果的に難しかったのですが、いちばんの失敗は、ある意味勉強をやりすぎたからですね。 メリハリをつけずに11月まで勉強を頑張ったのですが、過去問が解けないとわかったときには、早稲田の壁の高さを感じ、絶望感を覚え、勉強のペースがダウンしてしまいました。だから、この1年は前年と違って、『1年間ペースを落とさずにちゃんとやり切ること』を意識しました」
■2浪目であえてバイトを始めた この年は1日12~13時間していた勉強を、9~10時間に抑えて、週2で夜に新宿の居酒屋でアルバイトをするというメリハリをつけた生活を続けました。 川岸さんは「バイトしている時間は勉強ができないから、かえって勉強できるときには時間を無駄にできないと思って集中できるようになった」と2浪目の生活を振り返ります。 そうした生活習慣を続けたことが奏功してか、最初のほうの模試では偏差値が55だったものの、最後のほうには65~66程度まで上昇しました。
「早稲田はどの科目も文章を読めるようにならないといけなかったので、『文法』よりも『読解』を大事に考えて文章を読むようにしました。現代文は笹井厚志先生、古文は元井太郎先生、英語は佐々木和彦先生の単科コースの授業をそれぞれ熱心に聞きました。代ゼミのトップ講師の授業はとてもよかったですね。特に元井太郎先生には、古文だけでなく、英語や現代文にも通用する考え方を教えてくださったのでとても感謝しています」 こうして1年間、ペースを守り抜いて受験勉強を続けた川岸さんは、ついに3度目の早稲田大学受験を迎えます。
事前に受けた明治大学・法政大学に合格した状態で、文学部・文化構想学部・教育学部・人間科学部・商学部・スポーツ科学部・社会科学部を受験しました。この中で手応えがあったのが、教育学部と人間科学部だけで、結果発表がともに2月27日と同じ日だったためにとても怖かったそうです。 「発表当日は、当時すでに早大生だった妹に『隣にいてくれ』とお願いして、『大丈夫だよ』と支えてもらいながら発表を見ました。人間科学部の発表で合格していることがわかった瞬間、妹と一緒に『ウォーーー!』と叫びました。『後輩だね』と言われましたね(笑)。その後に発表があった教育学部も合格していて、最高の1日でした」