2浪早稲田「妹に進学を先越された」彼が抱く絶望。妹に対するコンプレックス、それでも早稲田に挑戦する日々
■行きたかった高校に妹が進学 「松阪高校に入りたくて、塾に入って勉強をしていたのですが、いけるかどうかギリギリだったので、三重高等学校の普通科特進コースを受験して、そこに進学しました」 すると翌年、川岸さんの妹は、川岸さんが行きたかった松阪高校に進学します。高校生になっても、妹に対する複雑な感情を拭いきることはできませんでした。 一方で川岸さん自身は、高校に入ってから野球をやめ、応援部に入ります。
「野球は大好きでしたが、高校では新しいことを始めようと思いました。ただ、ほかの部活なども見ましたが、しっくりくるものがありませんでした。どうせやるなら一生懸命打ち込めるものにしたいと思い、いろいろ迷っていたのですが、応援部の顧問だった担任の先生の勧めもあり、好きな野球に関われるからいいかな、と思って応援部に入部しました」 高校1~2年生のときは、授業が終わった夕方から部活動に出て、20時~21時に家に帰宅する生活で「応援部をしていること以外は普通の高校生だと思います」と当時の生活を語る川岸さん。
また、川岸さんは高校に入るまでは特に夢はなく、看護師だった母親の影響もあり「将来は医者になる」と周囲の大人に話していましたが、理系科目が得意ではなかったため、理系の進路は難しいとも、薄々感じていたそうです。 そんな川岸さんに、高校3年生になる直前に人生を変える出来事が起こります。それが、早稲田実業の甲子園出場でした。 「これまでも早稲田のOBの先生に話を聞いていたのですが、あまり興味はありませんでした。ただ部活動で、コンバットマーチなど、早稲田の応援部の音楽を使っていたので、『一度見に行ってみよう』と思い、高校3年生になる3月に、甲子園に足を運んだのです。そこで私は、早稲田の雰囲気や、応援歌の『紺碧の空』に圧倒されました。ここまで愛校心がある学校は見たことがなかったので、かっこいいと思いました」