セブンが実験、海外も熱視線の非接触・空中ディスプレー
画像を空中で結像する特殊プレートは、タッチパネル用途に樹脂製、立体広告用にガラス製が用いられている。ガラス製は最大1メートルのプレート生産にまでこぎつけており、中東、アメリカ、中国などでの商談が進んでいるという(写真提供:アスカネット)
1995年に創業したアスカネット(2438)の収益柱はフューネラル事業とフォトブック事業の2つだ。 1つ目のフューネラル事業は売上高の44%を占め、全国の葬儀社に向けて遺影写真の画像処理、通信出力サービスを提供している。葬儀用遺影のピント復元、服装補正などの特殊加工技術の高さと、「tunagoo(つなぐ)」という葬儀用連絡ツールをテコに提携する葬儀社数は年々増加。全国に約6000ある葬儀社のうちおよそ2700と提携するガリバーに成長した。 2つ目のフォトブック印刷は、プロ写真家や個人の写真愛好家向けの写真集印刷を手がけている。デジタル化によって写真全体のアウトプット市場は減少傾向にあるが、結婚式や旅行、子どもの成長記録といったフォトブック市場は順調に拡大が続き、アスカネットの売上高の54%はこのフォトブック事業によるものだ。 そして第3の収益柱として育成を目指しているのが、特殊加工したプレート設置により空中に立体画像を結像させる空中ディスプレー事業になる。2011年3月に本格参入したこの事業は、先行投資がかさみ前2022年4月期も赤字だった。が、中東やアメリカ、中国などで引き合いが活発化していることに加えて、今年1月にセブン-イレブンが非接触・空中ディスプレーのPOSレジとして実証実験を開始したことで、ウィズコロナ時代の非接触ツールとして注目されている。 2018年から当社を率いている松尾雄司社長に、アスカネットの成長戦略を聞いた。
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広瀬 泰之