近藤華インタビュー 多彩な表現の源にある思いとは
『アンチヒーロー』でベテラン俳優陣に負けない存在感を発揮した近藤華。エンタメ界に現れた新星のさらなる才能を示す映画『サユリ』が、8月23日(金)に公開された。とある中古物件に引っ越してきた一家。幸福な時間も束の間、まるで何かの呪いのように家族が一人ずつ死んでいく。夢のマイホームが一転、悪夢の牢獄へ。背筋の凍るホラー作品で、近藤は霊感を持った女子高生・住田奈緒を演じている。 【撮り下ろし写真多数】『アンチヒーロー』で死刑囚の娘役を演じ、一躍注目を集めた17歳の実力派・近藤華 演技のみならず、MV制作やイラスト制作など多彩な分野で独自のワールドを築く17歳。その内なる世界をほんの少し覗いてみた。
霊感がないから霊の画像を検索しました
──ホラーというジャンルに挑戦してみて、他の作品と演技面で違いを感じたところはありますか。 今まで日常を描いた作品に出させていただくことが多くて。でも、『サユリ』は完全な非日常の世界。極限まで追いつめられた状態を演じることってなかなかないので、そこは新鮮でした。 ──怪奇現象に遭遇するシーンは、確かに他では見せないような表情でしたね。 こういう体験をしたとき、自分の体がどういう状態になるんだろうというのはすごく考えました。やっぱり鼓動は早くなるだろうし、目を離すと霊にやられてしまうかもしれないから、目は見開いたままだろうなとか。危機的状況に襲われたとき、人間はどういう顔をするだろう、どういう行動に出るだろうということを私なりに考えて、あのシーンは臨みました。 ──とはいえ、実際の撮影では目の前に霊がいるわけではない。演者の想像力が試されるシーンでもあります。 そうですね。なので、画像とかを頭によぎらせながら。 ──画像? 私の演じた住田は、霊が見える役で。私は霊感とかあんまりないタイプなんですね。だから、住田にはどんな霊が見えているんだろうと思って、ネットで霊の画像を検索しました。 ──なるほど。どんな霊が出てきましたか。 口裂け女みたいな画像だったり、あとはちょっとグロい系も多くて……。住田はいつもこんなのが見えてるんだって。霊が見えることを他の人に言うこともなかっただろうし。ずっと一人で抱えていたんだなって、住田の気持ちを理解する上でも役に立ちました。 ──この作品の面白いところは、前半はザ・ホラーという展開なんですけど、中盤でおばあちゃんが覚醒したあたりから一気にテイストが変わるんですよね。 すごく面白かったです。「おばあちゃん、いけー!」みたいな(笑)。あんなおばあちゃんがいたら、見ている分には楽しいですよね。そばにいる則雄は大変そうだけど(笑)。 ──おばあちゃんは、恐怖に飲み込まれてしまうからダメなんだ。強い心で打ち勝てば大丈夫だと孫の則雄に教えを授けます。 すごくよくわかります。なんでもそうですけど、心が弱るとマイナスに受け取ってしまう。健康でいることって大事なんだなって、この映画を観ていて思いました。私もしっかり寝ないと体力が回復しないので、1日7~8時間は寝るように心がけています。 ──忙しいと、ちゃんと睡眠時間をとるのも難しくないですか? なので、私は家に帰ってからの作業が早くなります。急いでご飯をたべて、お風呂もすぐに入って。遅く帰った日は、30分以内にやることを全部終わらせて寝るモードに入る。日常のあらゆる選択肢の中で、睡眠がいちばん優先事項が高いタイプですね。 ──そもそも性格としてはポジティブなほうですか? それともわりとネガティブなところも? 基本はポジティブなほうだと思います。でも、疲れてくると、どうしてもネガティブになる。仕事が勉強でうまくいかないことがあると、すぐに自分を責めてしまうんですよね。反省は大事ですけど、考えすぎるのも良くないなって思うので。マイナスの方向に思考がとらわれたときは、とにかくご飯を食べて早く寝る。で、考えるのをやめます。 ──すると、次の日、朝起きたらどうなってるのでしょう。 ポジティブになっています(笑)。わりと切り替えは早くて、そこはこの仕事をする上でも助かっています。