ベッツからボール強奪のファンが波紋…ヤ軍戦士は「そんなに深刻じゃない」と異論「あれはニューヨーカーが持つ情熱だ」
前代未聞の騒動の余波はいまだ広まっている。 問題となっているのは、現地時間10月29日に行われたヤンキースとドジャースによるワールドシリーズ第4戦。初戦からの3連敗で王手をかけられ、崖っぷちのヤンキースが本拠地で11-4と大勝した中で試合序盤に見られた“観客の問題行動”だ。 【動画】ヤンキースファンが暴挙!ベッツ捕球のボールを奪い取ろうと… フレディ・フリーマンの2ランで先制した直後の1回裏、ヤンキースの1番グレイバー・トーレスが打ち上げた右邪飛をムーキー・ベッツがフェンス際で捕球。その刹那、スタンドで観戦していたヤンキース・ファンが介入。名手のグラブからボールを奪い取る暴挙に出たのだ。 ベッツの訴えもあり、トーレスは守備妨害によるアウトを宣告。ベッツに対する暴挙に出たシーズンチケットを持っていた38歳のオースティン・カポビアンコ氏も退場処分を命じられた。 無論、カポビアンコ氏には批判が殺到。事態の重さを見て、ヤンキースも緊急的に声明を出し、「ヤンキースタジアムはエネルギーと熱狂で知られていますが、チームを応援する熱狂が選手を故意に身体的危険にさらすような一線を越えることは決してあってはなりません」と断言。さらに「ヤンキースとメジャーリーグは昨夜のような行為に対して一切容赦しません。これらのファンはいかなる立場でも今夜の試合に出席できません」と“出禁”を命じたことを明らかにした。 ただ、選手たちの中には「大事ではない」という見方をする者もいる。ヤンキースの外野手であるアレックス・バードゥーゴは、米メディア『Newsweek』で「それほど深刻なことだとは思わない」と持論を展開した。 「俺はあの場面をわりと間近で見た。たしかに選手からボールをもぎ取ろうとするような、極端なプレーだった。でも同時に、それがニューヨークなんだ。ここじゃああいうプレーも期待されているような気がするんだ。俺は世間ほど深刻だとは感じなかった。ムーキーもなんとも思っていなかったと思うんだ。あれはニューヨーカーたちが持つ情熱だからね」 さらにファンへの出禁処分が公平かどうかを問われたバードゥーゴは「わからないな。でも、それが現実なんだろ」と指摘。「俺たちには、彼らが今日ここにいてもいなくても、何の問題もない。結局のところ、出禁をMLBが望んだんだ」と続けた。 日本でも小さくない波紋を呼んだ今回の騒動。しかし、現場にいた選手たちは“一大騒動”と捉えてはいない様子だ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]