米大統領選まで1週間余り、両候補ラストスパート トランプ氏集会のゲストがプエルトリコを「ゴミの浮島」呼ばわり
米大統領選挙の投票日まで1週間余りとなる中、トランプ前大統領とハリス副大統領は週末にそれぞれ集会を開き、自らへの投票を呼び掛けた。このうちニューヨークで行われたトランプ氏の集会では、ゲストとして登壇したコメディアンが、米領プエルトリコを「ゴミの浮島」と呼び、波紋を広げている。 「大好きな街に戻ってこられてうれしい」 共和党大統領候補のトランプ前大統領は27日、米ニューヨーク市のマディソン・スクエア・ガーデンで集会を行った。NYを象徴するこの会場で、民主党のハリス副大統領に対する最後の主張を展開した。 トランプ前大統領 「誰も彼女を信頼していない。誰も彼女のことを真剣に受け止めていない。みんな彼女が非常にIQの低い人間であることを知っている」 トランプ氏は、米国の都市を「征服した」不法移民を大量に国外追放すると宣言した。「就任初日に米国史上最大の国外追放プログラムを開始する。」犯罪者を追放するつもりだ」 また元レスラーのハルク・ホーガンさんら、トランプ氏を支持する複数の著名人が観客を盛り上げた。このうち、コメディアンのトニー・ヒンチクリフさんは次のような発言をして波紋を広げた。 コメディアンのトニー・ヒンチクリフさん 「いろんなことが起きている。皆さんが知っているかどうかはわからないが、いままさに海の真ん中にゴミの浮島が浮かんでいる。たしかプエルトリコという名前だったと思うが―」 トランプ陣営側はロイターに、プエルトリコに関するジョークはトランプ氏や陣営の見解を反映していないとコメントした。プエルトリコの住民は米国市民権を持つが、米大統領選の投票権はない。 民主党側は、このジョークは侮蔑的で非人間的な言葉が特徴の共和党の選挙戦術を端的に示したものだと非難した。 ハリス副大統領は同日、激戦州ペンシルベニア州のフィラデルフィアでプエルトリコ料理レストランを訪問した。その時の映像をSNSに投稿し、当選すれば「プエルトリコの将来に投資する」ことを約束した。 ハリス氏の選挙集会には大物スターが続々と応援に訪れている。25日、テキサス州ヒューストンでの集会では人気歌手のビヨンセさんが登壇した。また27日のミシガン州での集会には、ミシェル・オバマ元大統領夫人が参加した。 11月5日の投票日が近付く中、両者の支持率は拮抗している。 「率直に言って、私は自分の直感を頼りにしている」――支持率について尋ねられたハリス氏は27日、支持者の熱意を肌で感じていると述べた。「エネルギーと興奮が感じられる。ここに集まっている人たちの素晴らしいところは、米国として、米国民として多様性を反映していることだ。とてもワクワクする」