過去に患ったバセドウ病、現在も続く膠原病との闘い…それでも向後桃がプロレスラーになったワケ
病気があったからこそ、後悔したくなかった
向後がプロレスデビューしたのは2019年。アクトレスガールズのリングにおよそ2年半在籍し、2022年1月からスターダムに参戦した。地道な治療の結果、バセドウ病は寛解した。 「スターダムに来る頃に、1回寛解したんですが、そのときは1か月で戻ってしまって。で、改めて先生と相談しながらお薬の量を決めて、少しずつ減らしていきました。今は常にジョギング状態になることも、もちろんないですよ」 とはいえこれだけつらい状況において、なぜ向後はプロレスラーになろうと思ったのか。 「プロレスを知ったのはデビューする直前です。年末に実家でテレビを見ていたときに、たまたま海外のプロレスが特集されていて、それで女性選手の戦いやハイフライヤーの選手たちの動きに魅了されて朝まで見続けました(笑)。でもそのときは自分がプロレスラーになるつもりはなかったんですが、とあるお芝居を見に行ったときに、プロデューサーさんに『この子、運動神経いいんですよ』とアクトレスガールズの方に紹介されたのがきっかけで、プロレスの世界に入ることになりました。プロレスを始めるときには体力が一番なかった時期から良くなっていたときで、今始めなかったら一生できないかもしれないと思って。今日の自分が、もしかしたら一生で一番元気かもしれないと。だからプロレスをやるという踏ん切りは、病気があったからこそつけられたと思います」 (28日掲載の後編へ続く)
橋場了吾