「左足が触られてる感覚もわからない」ガンの再発手術を終えたフジタ“Jr”ハヤトが松葉杖でベルトを返上
1日、TDCホールにて『GLEAT Ver.12』が開催。ガン闘病中で第2代王者のフジタ“Jr”ハヤトがリングに現れ、LIDET UWF王座を返上した。 フジタJrハヤトは、高校時代にレスリングの全国大会に出場し、みちのくプロレス入団後に山本”KID”徳郁に師事して総合格闘技も習得したハイブリッドな実力派レスラー。 2017年から膝の靭帯完全断裂によりリハビリ生活を続けていたが、その最中でガン(脊髄腫瘍髄内腫瘍上衣腫)が発見されさらなる闘病生活を強いられることになった。それでもハヤトは折れずに「師匠が出来なかったことを俺がちゃんとその想いを背負ってまたリングへ帰って来たいと思います」と復帰を宣言し、一度は2019年6月の後楽園ホール大会での復帰が決まりかけるも抗癌剤治療による体調面の問題から延期に。 ハヤトは「上から徳さんも見てるしまだやらなきゃいけないことがあるんで、絶対死ねない」と復帰を諦めることなくリハビリを続け、紆余曲折の末に2022年7月1日の後楽園ホール大会で復帰。 復帰戦でMUSASHIから東北ジュニアヘビー級王座を奪取し、昨年7月にはLIDET UWF世界王座も戴冠するシングル二冠王に。さらに新日本プロレスのIWGPジュニア王者・高橋ヒロムとのシングルマッチを岩手県・矢巾のみちのくのリングで実現するなど、あっという間にプロレス界の中心人物となっていった。 しかし、ハヤトは昨年12月にガンの再発を告白。「リングに上ったら『また俺なら勝てんじゃないかな』っていう気も起きるね。『もう戻れねえかも』なんて思ってるのが8割。でも、まだやんなきゃいけないこともあるし、もっと『ハヤト、それ言っても大丈夫?』みたいなこと言って、みんなをドキドキさせたいね」と語り、欠場へと入った。
この日メインイベントで行われるLIDET UWF王座戦のために、ハヤトはが松葉杖ながら自らの足でリングに上がりベルトを返上。 そしてマイクを持ち「1月の半ばにガンの再発の手術をして、左足が触られてる感覚もわからなければ、地面に足がついてることすらもわからない状態で。ちょっと頑張ったんですけど、普通の日常生活をするためのリハビリしかまだできていないので、マジでほんとにこのベルトを持たせてもらったこの1年間、あのベルトに愛着湧いて、もっともっとこのルールで試合がしたいなって思ってる中こういう状況になってしまって、こういう形で返上というほんとに情けない形になってしまいまして、ほんとにすいませんでした。頑張ってまたこのリングに帰ってきて、またUWFのベルトに挑戦したいと思いますんで。今日実は第1から全部見てて、たくさんGLEATな気持ちをもらったので、これからまたリハビリをして頑張りたいと思いますんで、あと1試合一緒にGLEATしましょう。ありがとうございました」と挨拶した。 会場からはハヤトの復帰を願う大きな拍手に包まれ、ハヤト自身もしっかりとUWF王座戦を目に焼き付けて会場を後に。奇しくもハヤトのデビュー戦の相手を務めた中嶋勝彦が新王者となり思いを継いだ。