「イッテQ」復帰の手越祐也と東出昌大の意外な共通点 「イジられるイケメン」枠の需要が増加
東出さんや進次郎氏との共通点 チャラそうに見えて体育会系の一面も
東出さんや進次郎氏と手越さんの共通点。それは鈍感さスレスレのタフなメンタルである。学習しないというか、同じ過ちを繰り返す。東出さんや手越さんなら女性問題だし、進次郎氏はあれだけ言葉尻を揶揄されても自信満々にしゃべることをやめない。手越さんに至ってはその人当りの良さが災いしてか、2016年に起きた金塊強奪事件の容疑者や、2020年にボートで死亡事故を起こした人間との写真が流出した。周囲はヒヤヒヤしていても、本人たちはどこ吹く風だ。それどころか、訳の分からない持論を大真面目に繰り出し、どこか自分の雄弁さに酔っているようなナルシシズムが見えるところもよく似ている。 でもその自己肯定感の高さこそ、現代人が一番失いがちなもの。だから根拠のない自信でも堂々としている彼らに、不思議と引きつけられてしまうのかもしれない。 また意外と体育会系というのも共通点である。進次郎氏は関東学院六浦高まで野球一筋で、高3の時には野球部副将経験も。東出さんは剣道一家に育ち、高校も剣道の強豪校に進学している。手越さんはサッカー好きで有名で、サッカー番組のメインキャスターに抜てきされたこともあった。中学まではJリーガーを目指すほどにのめり込んでいたという。芸能界に入った後も、業界人が集うフットサル大会で活躍していたようだ。 甘いマスクでカッコつけだが、意外と男性から嫌われない。それは体育会系というコミュニティーで最も必要とされる、「バカで憎めない後輩」という勘所を体得してきたからではないだろうか。それは、今も男性が実権を握ることが圧倒的に多いテレビ業界でも、優位に働くに違いない。
退所後は不発だった手越さん YouTubeでは魅力減だった「チャラ男」キャラ
ただ手越さんは「チャラ男」キャラを便利使いしてきたように見えるが、彼のプライドは高く、イジられて終わるような男じゃないという自意識がうかがえる。自伝本では歌唱力の高い自分が抜けた後のNEWSの構想や、経営者としての展望も語るビッグマウスぶりも見せていた。しかし、自身が広告塔となり手がけた脱毛サロン「TEGOSHI BEAUTY SALON」は経営悪化が報じられ、2022年に全店が閉店。個人YouTubeチャンネルの登録者数も開設時は170万人を超えたといわれるが、現在は133万人と、ジャニーズJr.チャンネル登録者数より少ない。「口パク」と手越さんがバカにしたこともある嵐のチャンネルの328万人、二宮和也さんらの「よにのチャンネル」の458万人と比べると、ちょっと寂しい。 以前は人気YouTuberのヒカルさんやオリエンタルラジオの中田敦彦さんらとの絡みもあったが、一過性の話題にしかならなかった。彼らと話す手越さんを見ると、改めて器用さや口の達者さが分かる。それは確かに手越さんの長所なのだが、「鼻につく」感じが拭えないのだ。ウッチャンらのツッコミで中和されていた、「お調子者ならではのかわいげ」になっていないのである。 自分語りをして悦に入る「ビッグマウス」キャラたちが輝くのは、彼らを一刀両断してくれる先輩があってこそ。そういう意味で手越さんは、個人戦のYouTubeよりも団体戦のテレビ向きのタレントというのがよくよく分かったのではないだろうか。 「イッテQ」がうまくいけば、テレビへの本格復帰も夢じゃない手越さん。私はぜひ、東出さんと進次郎氏と「ボクらの時代」に出てほしい。農業プロジェクト「手越村」に取り組む手越さんなら、山中での狩猟生活中の東出さんや国産飲料水を推進する進次郎氏と、「日本の食」という共通テーマもある。令和のビッグマウストップ3による、全くかみ合わない思い思いのオレ語りは、きっと放送事故スレスレの神回として、テレビ史と多くの人の記憶に残るに違いない。 冨士海ネコ(ライター) デイリー新潮編集部
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