GQハイプリスト 1~10
何を着て、どんな香りをまとい、どこで食事をするべき? そして、バケーションはどこに行けばいい? 世界中を網羅した、超具体的かつかなりパーソナルな、“いまこの瞬間、最もクールなもの”をまとめたガイドをお届けします! ハイプリスト10を見る
奇想天外なステートメントソファ
おしゃれな友人の家に必ずある、背の低いトーゴソファに見飽きている人も多いだろう。ナチョ・アレグレによれば、次に流行るソファはサイケデリックなア ーティスト、ミーシャ・カーンがブルックリンのスタジオで手作りしている自由なフォルムのラブシートかもしれない。 「デイ・オブ・ザ・テンタクル風で、H・R・ギーガー風で、ポップで、不思議とアメリカらしい」とアレグレ。 2.ピアジェ「ポロ」の腕時計 アンディ・ウォーホルは今流行っているカルティエの「タンク」のファンとして知られるが、ピアジェの「ポロ」も愛用していた。マイルス・デイヴィスにも愛された時計だ。デザイナーのゴーテ ィエ・ボルサレロは、ヴィンテージウォッチ市場を次に制するのはピアジェだと予想。品質に比べ、現在の価格はあまりに低すぎると彼は言う。「美品が2000ドルほど。本当なら1万ドルすべ きです。昔収集していたけれど、すべて友人にあげてしまって、今は見つけるなんて不可能」 3 ヒップなサウスアフリカン・ハウスミュージック どんなイベントでも、 今激アツのサウスアフリカン・ハウスミュージックのサブジャンル「アマピアノ」をかけるといい。「新鮮なサウンドで人気急上昇中です」とアデ“エーサイド”オドゥンラミ。迷った時はSpotifyでいちばん上にあるアマピアノのプレイリストを選ぼう。 4 お昼休みにセーリング アレグレは毎週火曜、バルセロナのオフィスを午後1時に出て自転車で浜に行き、数千ユーロで手に入れた中古の5mのディンギー(キャビンを持たない小型の船舶)を地中海へと走らせる。「3時半にはオフィスに戻ります」とアレグレ。「運動になるし、意外とお金もかからない。少し前、友人たちが世界各地でロッククライミングを始めたけれど、セーリングが次に大流行し ても全然おかしくない」 5 チェーンメールのジュエリー パールの次に来るメンズジュエリーはチェーンメールだと語るのは、ルーシー・ワイズナー。彼女が共同でブレーンを務めるニューヨークのブティック「Café Forgot」はジュエリー革命の中心にあり、SNSでも人気だ。お気に入りはチェーンメールをネクタイやグローブに重ねるブランド「Aslan」。「どこか懐かしいのに意外性もあります」と、この中世から伝わる素材について語る。 チェーンメールはハードルが高いという人には、ブルックリンにある「Martine Ali」のごついシルバーネックレスをおすすめする。 6 主張の激しい部屋に静かなアートを 大抵の人は、白い壁に色を添えるためにアートを飾る。だがシャノン・マルドナドが今はまってい るデザインムーブメントはその逆だ。彼女がフィラデルフィアにオープンしたSNSで人気のブティックホテル「Yowie」の内装を手掛けるにあたり行ったのは、大胆な色の部屋に控えめなアートを飾ること。「パンチのある家具やラグ(さまざまなブルー、ブラウン、ラベンダー、イエロー、グ リーン)を合わせる時、中和するものが常に必要です。色を抑えたアート作品が空間を引き締めます」 7 ミニ観葉植物 リビングにある背が高く葉も大きいイチジクの木をもてあます人を尻目に、真の植物マニアは極小サイズの植物に乗り換えている。アメリカの両沿岸部で展開されるクールな植物専門店「Cactus Store」の共同創設者カルロス・モレラは、ロサンゼルスの自宅の窓際にAir Pods一つくらいのサイズのミニ植物を十数個並べている。「ただの飾りとして見るのではなく、小さいものに注目して、どこから来たのか、成 長パターンはどうか、色々知ることが大事なのです」とモレラ。ミニチュアサイズの植物の世話には精密さと抑制が求められるが、他にはない満足感をもたらしてくれると愛好家は口をそろえる。 8 ホテルのロビーで過ごす エーサイドはホテルに数週間単位で滞在することが多い。コツは、ロビーでくつろぐこと。「ロビーは僕にとって部屋よりも大切な場合がある。だから、リビングルームと呼びます」と笑う。お気 に入りはOjasのサウンドシステムを備えるニューヨークの「Nine Orchard」、ジャパニーズ・モダンのデザインが落ち着く「東京エディション虎ノ門」、そして当然、ロサンゼルスの「シャトー・マーモント」だ。 9 ノンアルコール・アペリティフ ノンアルコール市場が進化している。さまざまなワイン会社やビールメーカーが繊細で味わい深い商品を出し始めた。「ナチュラルワインの流行を受け、コンブチャのような発酵飲料への関心が高まりました。健康的かつ新鮮で、古くなった飲み物とは違う」とアレグレ。彼は自宅 で「Ghia」のノンアルコール・アペリティフや、「AMA Brewery」のスペシャルティーヴィンテージコンブチャを飲んでいる。スペインのバスク地 方を拠点とするAMA Breweryは、2人のシェフがファインダイニングでの長年の経験を活かし、ミシュラン星付きレストランに相応しい発酵飲料を作ろうと設立した醸造所だ。 10 枯れた花 みずみずしいブーケは古くから卓上を明るくするために使われてきた。だが、アーティストのライラ・ゴハーは、一風変わった方法で家庭のありふれたテーブルを一変させる。旬を過ぎた草花を使ったドラマチックな演出だ。「美しく枯れる花もあります」とゴハー。たとえばチューリップは「枯れた後のほうがきれい」だという。ホームパーティーを開く時は、会話の糸口としてテーブルにしおれた花を飾ってみるのもいいかもしれない。