日本で復活した幻のアメリカブランド 「ロッキーマウンテン フェザーベッド」の“クリスティベスト”のこだわりとは
「スタートした最初の頃に使用した革は、クローム鞣しを入れないヌメ革っぽい仕上げにして雰囲気を出そうと考えていました。ですが、その革だとお客様が触ると指紋のような跡がついたり、蛍光灯の光で焼けてしまったりしてクレームも来ました。そこで試したのが、クロームとタンニンをいい塩梅で配合し鞣した革だったのです
この一枚革ヨークは本国でも“ワンナッパ”と呼ばれて親しまれていたそうなのですが、生地の取り都合で、かなり贅沢な使い方をしなければならないので、コストもかかります。ボタンも爪付きで固定された回らないものを使ってダウン抜けを防いだり、本当にこだわりが詰まっているんですよ」
今後は欧州へ出店などの海外進出を見据える
今季はブランド創設から、節目である50周年を迎える年となっている。2024年秋冬の全アイテムに50周年ラベルを付けるなど特別な仕様も好評だ。
「実は『ロッキーマウンテン フェザーベッド』の節目に加え、内輪のことではありますが当社も35周年を迎えるので、ブランドの50周年を記念するプロダクトと会社の35周年を記念するアイテムがごっちゃになっています(笑)」
最後に、今後の展開について信岡さんに伺ってみると、こう答えてくれた。 「現在は日本のみならず、本国アメリカやヨーロッパから特に好評いただいております。ロッキーマウンテン フェザーベッド直営WEBサイトでは海外シッピングも送料無料で発送しているので、海外からのお客様のオーダーが全体の8割以上になりつつあるんです。だからこそ海外のお客様に実物を見ていただく機会を増やすために海外出店も考えています。 ただ、海外では国ごとに小売販売のルールや常識が違うので、難しい問題はたくさんあると思います。まずは日本製のプロダクトを輸出するのか、また現地で同じ材料を調達し縫製して出すのかなどの問題でコスト感が変わってきたりと、まだまだ問題は山積です。 世界の皆さんに『ロッキーマウンテン フェザーベッド』を知っていただけるように動くしかないですね」 アメリカで生まれ、日本で復刻された「ロッキーマウンテン フェザーベッド」。既に海外からのオーダーが多くなりつつあるこのブランドに海外に拠点ができれば、海外でも話題になることは必然だ。こだわりが詰まった日本がリプロダクトするアイテムが海外でも爆発的な人気となるのは、もう遠い未来ではなさそうだ。