「最終の陣」名残惜しむ 小矢部・源平火牛まつり、34年で幕 わらの牛レースやパレード
メルヘンおやべ源平火牛まつり(富山新聞社後援)は28日、小矢部市石動地区の中心商店街で行われた。通算34年間続けられてきたが、運営を担う人出不足などを理由に今年が最後の開催となった。長く親しまれてきたまつりの「最終の陣」には大勢の市民らが詰め掛け、平安末期の武将木曽義仲が用いた戦略「火牛の計」にちなんだ、わらの牛のレースやパレードを名残惜しんだ。 武者姿の市民がわらの牛と練り歩く「源平火牛たいまつパレード」では、「めるへん劇団」の穴倉健治さんが義仲役、久田美里さんが巴御前役を務め、わらの牛に乗って先導した。 大型のわらの牛2頭にたいまつが付けられ、中小の4頭とともに、武者姿の市民ら約60人が商店街を進んだ。小矢部和太鼓連合会の4団体が勇壮な演奏で盛り上げ、市女性団体連絡協議会が「義仲バンバ」と題した踊りを披露した。たいまつの火をかがり火に移して「火牛」の役割を終える陣払い式が行われ、もちまきで締めくくった。 恒例の火牛の計レースは小学生による子どもの部のみが実施され、4人1組の低学年の部に8チーム、3人1組の高学年の部に20チームが出場した。2チームごとに商店街の約50メートルのコースを小型のわらの牛を引っ張って順位を競った。 高学年の部で優勝した岩田啓杜さん、宮田結華さん、佐伯陽向さん(いずれも東部小6年)は「緊張したが、速く走れた。今年でまつりが終わるのはさみしい」と声をそろえた。 まつりはおやべ祭り実行委員会が主催しており、源平火牛まつり実行委員会の山﨑淳一委員長は「会場に一体感が感じられ、まつりを終えるのが惜しくなった」と語った。 レース後に「走り納め」が行われ、市商工会青年部員や歴代のまつり実行委員長、ホッケーの小矢部REDOXのメンバー、石動高ホッケー部員が4頭のわらの牛を引っ張った。会場に全6頭が勢ぞろいし、来場者が試乗や記念撮影を楽しんだ。