ソフトバンク山川穂高「僕慌てているんですよ、この打席」「ちゃんと打つべくして打ったホームランなのかな」 映像をもとに振り返る3、4月の全6本塁打
ソフトバンクを徹底取材する「西スポWEB OTTO!」、と球団公式チャンネル「ホークスTV」によるコラボ企画「鷹番が聞く!解説しちゃOTTO」。ソフトバンクの選手自らがあの試合、あのシーンを詳しく解説してくれます。第2回は新加入でソフトバンクの新たな4番打者として活躍を続ける山川穂高内野手(32)が登場します。前編は3、4月に放った6本塁打すべてを振り返ってもらいました。(聞き手・構成=小畑大悟、鬼塚淳乃介) ■「朝から晩までホームラン打ちたい、ホームランを打ちたいと」 山川穂高が語る本塁打論 ◇ ◇ ◇ ―第1号はオリックスとの3月29日の開幕戦で宮城から勝ち越しの一打。同点で7回先頭での場面だったが打席での意識は。 「前の打席に三振していたんで、しっかり前に打ち返していこうっていうのはありましたね」 ―外角のスライダーを2球見逃してから、3球目の直球を捉えた。 「配球的な部分はちょっとあんまりわかんないですけど、来た球を打って感じですけどね。そもそも宮城がちょっと良すぎるぐらいいいので。今のパリーグで言ったら宮城、佐々木朗希、今井、(高橋)光成、隅田もそうだし、あと山下とか。あの辺のクラスのピッチャーっていうのは僕がどれだけ調子良くても、すっからかんにされる可能性があるというか。もう本当に当たらないときが出てくる。そういう意味ではマジでまぐれです。もうほんとに、まぐれだなって思うぐらいのホームランですね」 ―移籍1年目の初戦など、様々な思いがあった中での一発だった。 「そうですね。でも、その思いというのは、漫画みたいにここ絶対打ってやるとか、そういうのっていうのはあんまり起きない。自分のやることを淡々とやるっていう方が今強いですね。これはまぐれですね」 ―元同僚の捕手森との駆け引きもあった。 「基本的に僕はキャッチャーとあんまり対戦しないようにしていて。僕はそれをやっちゃうと後手に回っちゃう可能性が高いので。でも、その中でもやっぱり森は僕のことよく知ってるでしょうし、そういう意味では嫌ですけど」 ―見逃し三振に倒れた2打席目は全球直球。こう来たかと思った。 「そういうのをあんまりしたくないんですけど、やっぱそうなっちゃった打席。それがあった上で、やっぱりダメだなっていうので、臨んだ打席ではあったかなと思います」 ―第2号は4月13日西武戦での満塁本塁打。第4打席で水上から2球シュートで空振りした後のスライダーだった。 「これはよく覚えてますけど、(水上は)シュートとスライダーの左右の使い分けで抑えてくるピッチャーってのは分かっていましたけど。この2球空振りした時、終わったと思いましたけどね。もう1回多分シュート投げられてたら無理じゃないですかね。シュート投げられるか、もしくは外のスライダーがもうちょっと低めにちゃんと来ていたら抑えられてたんでしょう、っていう打席だと思います」 ―打てるところに来た。 「結局僕慌てているんですよ、この打席。やばいやばいってなっている状況。そんなに調子が良くないですし。最終的にこれ打った球、ボール球なんですけど、こんなところがホームランになってる時点でそんなにいいわけはないんで。まぐれです。もう本当にそこしか打てないところなので。でも、野球やってる中でこういうのって結構起こるんですよ。もうダメだこりゃって思っている時に、なぜかそこしか打てないっていうところにボールが来たりとか。当たった時、ほんとに当たったっていうぐらいの感じでしたね」 ―表情からもよかったという感情が伝わってきた。 「これはよかったっすね。こういうのはたまにラッキーなのが起こる時があるので。これはラッキーですね」 ―第3号は第2号に続く打席での満塁本塁打となった。展開的に楽ではあった。 「ここはちょっと余裕がありましたね」 ―2打席連続満塁弾は意識した。 「全くしてないです。してないですけど、結局さっきの打席でホームラン打ったことによる、心の余裕って言い方したらあれなんですけど。何か多分ホームラン打った時って感覚が残ったり、脳内から何かが出るっていうのが多分起こるんでしょう。だからこそ連発っていうのがあるんで。ここの時はもう打てると思ってました」 ―完璧な当たりだった。 「こっちの方がやっぱちゃんと、ちゃんと打ってます。間違いなくこれはいいです。これはちゃんと打つべくして打ったホームランなのかなと思います」