ソフトバンク山川穂高「僕慌てているんですよ、この打席」「ちゃんと打つべくして打ったホームランなのかな」 映像をもとに振り返る3、4月の全6本塁打
「4月30日のホームランの方がいいですよね」
―状態も気持ち的にもよかった。 「そうとも限らない。あんまり調子良くない時でもホームラン連発する時って結構あったりするんで。そういう意味ではちょっと飛びますけど、4月30日のホームランの方がいいですよね」 ―順番前後してその同日楽天戦の第6号。高めに浮いたカットボールを中越えさせた。 「今年の中で1番いいです」 ―その理由は。 「いい姿勢で立てているので、いい回転ができいるんです。いい姿勢で立てていると、力の入れ具合も良くなっていくので。よく当たる時に100パーセントの力を出したいと言って、みんながリラックスとかそういう言葉で結構簡単に言うなって思うんですけど。リラックスが本当の意味でリラックスできるのってバランスが良くないとできないので。ただできています」 ―我々が姿勢の違いが分かる部分はどこか。 「映像で見たら分からないレベルだと思います。それぐらいバッティングって繊細ですし。それを1試合、2試合続けるのってそんな難しくないですけど。球場が毎回変わるので、その球場によっての見え方とかも含めて、その中でやっぱ継続していくっていうのは非常に難しいかなと思うので。やってみてください」 ―球場ごとに立ち方は違う。 「僕は球場によって打ち方はあると思います。西武(ベルーナ)ドームで打つ打ち方と、(みずほ)ペイペイ(ドーム)で打つ打ち方と、(ZOZO)マリンで打つ打ち方とっていうのは僕はあると思います」 ―戻って4月19日オリックス戦での第4号3ラン。方向的にも良かったと語っていた。 「これはもう文句なしというか、かなりいいと思います」 ―名前を挙げていた山下投手から。 「山下舜平大がこの時あまり調子よくなかった(4回8失点)ですよね。というのもありますけど。やっぱりスイングの軌道とか、打っているこのフォルムを見る感じでは、このホームランはすごくいいと思います」 ―山下の武器である直球を打てた。 「それもありますね。でも飛んでる方向がいいです」 方向は左中間が一番いい。 「左中間が1番。僕のバッティングとしては左中間が1番いいなと思いますね」 ―どういう部分でいいのか。 「バットがちゃんと面が向いてる状態、ボールにちゃんと当たってる状態じゃないと、左中間とかセンターには飛ばない。それをするのって結構難しい。速い球をとかいろんな球が来る中で、そうやって出していくっていうのは難しいんですけど。それが理想的なので言うと、やっぱちょっと詰まって左中間に飛ばしたい。面を向けて、ちょっと詰まった状態で打てる時っていうのは結構量産できる時」 ―そういう意味ではいい形で打てた。 「これ結構これ先っぽで打ってるんで、でもそれは操作できないので。ホームランとしては良かったかな」 ―4月25日のロッテ戦での第5号は先制2ラン。三振からの2打席目で逆方向に飛ばした。 「これは打席の中での見送り方とかも含めていいです。かなりいい。落ち着いてできてると思います」 ―見送り方は完全に見送れる方がいい。 「ストライクゾーンって実際そんな広くないので。ストライクゾーンが広がっていったり、内側にも外側にも高低も含めて広がっていって、打てると思っているゾーンがちょっと広くなりすぎる時っていうのは、もちろん数字としては良くならないですけど。でもテレビで見てたら結構簡単なんですけど、ストライクだけ振ればいいじゃんって思うんですけど。でもはたから見ている人の意見と僕が実際やる感覚っていうのもまるっきり違うので。自分がいい感覚でちゃんとストライクゾーンの球をセンター中心に打ち返せるようになる時は、姿勢が良かったりとか、力の配分が良かったりとか。そういうのが大体比例することが多いので。そういう意味では単純ではないなと思います」 ―逆方向へ伸びたのにも根拠がある。 「ちゃんと当たれば別に反対方向でも入るので。これはいい打ち方ではありますけど、その後の打席にすぐいい成績が出ない時っていうのは、やっぱりまだちょっと何かがずれているので。完璧を求めれば求めるほど、もうちょっとこうかなっていうのは、ホームランを打ちながらでもあります」
西日本新聞社