イタリア人記者から見た男子バレー日本代表と石川祐希「2チームのどちらかが敗北しなければならないのは苦しいことだった」「ユウキにとってそうだったように、タツにもミラノが成長できる環境となるだろう」
パリ五輪についてイタリア人のスポーツ記者であるGiuliana Lorenzoに振り返ってもらった。Giulianaは弊誌スタッフが昨季ミラノホームゲームで日本人のファンがなぜこんなにも多くイタリアリーグを訪れるかについてコメントを求められた。今度は彼女に現地イタリアメディアとしての感想を聞いた。ペルージャに移籍した石川祐希と、ミラノに新しく加入した大塚達宣についても。 「オリンピックが始まったとき、私は日本が大会のサプライズになると信じていた。年々、日本代表チームは躍進しているし、最近のネーションズリーグでもそれは証明されている(2023年度はイタリア代表をフルセットで破り、銅メダル。2024年度は銀メダルを獲得)。 パリオリンピックの準々決勝は、おそらく誰もが言うように、緊張感の点で最も複雑な試合だ。そのことが男子日本代表チームにペナルティーを与えたと思う。最初の3セット、日本は最高レベルのバレーボールを展開し、私たちのアタッカーを無力化した。2チームのうちどちらかが負けるのは残念だった。
石川祐希に関しては、長年ミラノで過ごした後、ペルージャでの冒険はモチベーションの源となり得る。ピアッツァ監督の下、ミラノで大きく成長した石川は、ロレンツェッティ監督のいるウンブリアでも同じことができる(編集部注:ロレンツェッティ監督は石川選手が初めてイタリアセリエAに挑戦したときのモデナの監督だった)。たぶん最初は簡単ではないだろうし、監督の選択がどうなるのか、パリ五輪でコートを挟んで戦ったイタリア代表とペルージャの正セッターであるシモーネ・ジャンネッリとのつながりがどう発展していくのかを見る必要がある。大塚達宣については、今大会の注目選手の一人になると思う。まだ彼のことをよく知らないが、彼は若いし、ミラノはユウキにとってそうであったように、タツにとっても適切な環境になる可能性は大いにある。 タツがなぜ初戦でリベロ登録だったかは詳しくはわからない。コンディションの問題があったのかもしれない。いずれにせよミラノの新しいアウトサイドヒッターとして、ユウキのような活躍が求められている。ミラノも私もタツに期待している」。 SVリーグの「顔」として日本のリーグで初プレーする高橋藍と入れ替わるように全日本男子代表のチームメイトである大塚達宣もイタリアリーグセリエA1に挑戦。洛南カルテットの盟友・垂水優芽もチステルナにレンタル移籍。今季もセリエAでプレーする日本人選手の活躍に期待したい。