【ぼったくり?】カフェでオレンジジュースを頼んだら、業務用スーパーのジュースを入れているのが見えました。原価率が恐ろしく低いのではないでしょうか……。
業務用の清涼飲料水ジュースが1杯300円台であったら、どう感じるでしょうか。なんとなく損した気分になる方は少なくないと思います。しかし、そういった価格でソフトドリンクを提供しているカフェは果たしてぼったくりなのでしょうか? 本記事では、原価率と店舗経営の関係について解説します。
カフェで提供されるジュースはぼったくり?
カフェでジュースを注文した際、コーヒーや紅茶と比べて割高に感じることがありますが、実際のところはどうなのでしょうか。例えば、330mlのグラスに、260mlのジュースを注いだとします。1リットルのパックジュースが300円なので、1杯あたりの原価は78円ほどです。 1杯あたりの価格を考えると、かなり低いといえます。ただし、業務用ジュース1リットルあたり300円というのは非常に安い想定なので、実際にはもっと高いジュースが使われることもあるでしょう。 ここで考えなくてはならないのは、家賃、光熱費、人件費、Wi-Fiなどの通信費、グラス代、おしぼり代などが、この1杯の価格に全て含まれているということです。ジュース1杯の原価には、商品そのものだけでなく、さまざまなサービスが付随しているのです。
全体の原価率でお店が維持されている
一般的に、飲食店の原価率は、全体で30%程度といわれています。カフェの場合、原価率は「ドリンク15~20%、フード80~85%程度」が一般的です。ドリンクで稼いでいるように見えても、実際にはドリンクだけで十分に集客するのは難しいため、サンドイッチやスイーツなどの軽食を提供し、ドリンクとフードの原価率が30%程度になるよう設定されています。 つまり、利益が上がるジュースばかりが注文されるわけではないので、他のドリンクやフードで原価率のバランスを取っているというわけです。
業態やドリンクメニューによって原価も異なる
では、カフェ以外でドリンクを飲む場合はどうでしょうか。例えば、ファミレスのドリンクバーは、価格設定がさまざまです。ランチを注文するとドリンクバーが無料になるなど、実質100円以下でドリンクバーを提供している店も多くあります。 一般的にドリンクバーの原価は、1杯3~20円程度とされています。特に炭酸飲料は3~5円程度と安く、果汁100%ジュースは20~30円程度です。 炭酸飲料の原価が安いのは、元のシロップを炭酸水で薄めるためですが、実際には、ディスペンサーの電気代やシロップ交換の人件費、洗浄費などさまざまな経費も含まれています。 また、居酒屋でアルコール類を注文する場合を考えてみてください。チューハイなどは何杯も注文されるのに対して、カフェのジュースを何杯も注文する人は少ないでしょう。カフェのソフトドリンクがやや高めな設定であるのは、そういった理由もあります。
1杯に含まれるさまざまなサービスを考えてみよう
飲食店のメニュー価格には、場所代や人件費などさまざまなサービスの提供費用が含まれています。この記事では、非常に安い業務用のジュースを想定していますが、実際には、もっとジュースの価格が高いことも十分考えられます。 300ml程度のグラスに氷を3~4個入れたジュースを300円台で提供しているのであれば、妥当な価格といえるでしょう。あなたが飲んだジュース1杯が、カフェの経営を支えているのです。 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部