過去には死亡事故も…「電動キックボード」の危険性 免許不要でヘルメットも努力義務 交通違反や暴走運転も急増
(JAF 武藤敏行係長) 「HICの値が7000を超えているので、場合によっては死亡する可能性も考えられます」 2022年9月に東京で起こった事故では、ヘルメットを被らずに電動キックボードに乗っていた男性が、車止めに衝突して転倒。頭を強く打って死亡しました。 (JAF 武藤敏行係長) 「万が一、衝撃を受けた時にヘルメットが外れないように、正しく装着してもらいたい」 ■規制緩和で利用者も違反も急増 電動キックボードは元々、海外生まれ。国は原付扱いにして、免許やナンバー、ヘルメットの着用を義務化していました。しかし、2023年4月、改正道路交通法で「特定小型原付」という区分を新設。最高時速20キロ以下で16歳以上なら免許は不要、ヘルメットも努力義務とし、大幅に規制を緩和しました。 警察では、若者を対象にした電動キックボードの講習会を繰り返し開いています。名古屋市中村区で行われた講習会にも多くの受講者が訪れ、安全な運転を学びました。 (中村警察署 森本正樹警視) 「正しいルールを理解して、安全に乗車してほしいと思います」 講習会などが行われているものの、利用者が爆発的に増える中、違反も急増しています。2023年7月から2024年1月までのわずか半年で、交通違反は7130件にのぼります。 名古屋市中村区の「ブレイズ」は、クラッシックタイプの電気自動車や軽自動車のキャンピングカーを扱っている会社。5年前から電動キックボードの開発や販売にも乗り出しています。 16歳以上であれば免許不要で乗れる新区分の「特定小型原動機付自転車」は、ナンバープレートが原付より一回り小さい10センチ四方。車道を走る際には緑のランプが点灯し、最高時速は20キロまで出ます。 緑のランプを点滅に変えると、最高時速6キロになり、早歩きとほぼ同じスピードに。時速6キロまでしか出せなくなる分、条件付きで一部の歩道を通行可能になります。どちらの場合もヘルメットは努力義務です。
最近では、町のあちこちに電動キックボードのシェアリングポートも増えています。名古屋では、2023年5月に約50か所ありましたが、1年足らずで7倍の340か所にまで増加。手軽に使える環境が、さらに整いつつあります。 “新しい街の足”として広がる電動キックボード。しかし、正しく使わなければ、危険な存在となる恐れもあります。 CBCテレビ「チャント!」4月29日放送より
CBCテレビ