スターマー英首相や与党労働党の政治家らが米人気歌手テイラー・スウィフトさんのコンサートチケットなどの寄付を受け取ったことに世論の批判が高まっているのを受け、首相官邸は２日、６０００ポンド（７９６１ドル）を超える寄付の相当額を返済したと発表した。ブリュッセルで撮影（２０２４年　ロイター/BENJAMIN CREMEL）

［ロンドン　２日　ロイター］ - スターマー英首相や与党労働党の政治家らが米人気歌手テイラー・スウィフトさんのコンサートチケットなどの寄付を受け取ったことに世論の批判が高まっているのを受け、首相官邸は２日、６０００ポンド（７９６１ドル）を超える寄付の相当額を返済したと発表した。 発足からわずか数カ月の労働党政権は、スターマー氏と一部有力閣僚らが衣類やパーティー開催の費用、コンサートチケット、外国旅行などの形で寄付を受けていたことが世論の反発を招いた。首相官邸は寄付に関する新しい行動規範案を公表すると説明した。 首相官邸によると、６０００ポンド超相当の寄付にはスウィフトさんのコンサートチケット６枚分、競馬のチケット４枚分、高級ファッションデザイナーとの衣類レンタル契約が含まれている。 ブリュッセル訪問中のスターマー氏は返済について質問され、「これまでに政治家はケース・バイ・ケースで個人が最善だと思う判断をしてきた」とし、「このため行動規範が整備されるまでは、（受けた寄付を）返済するのが正しいと判断した」と語った。 英下院の行動規範では、議員は自らの職務に影響を及ぼし得ると合理的に考えられる金銭的利益の情報を提供することが義務付けられている。 今回の批判を受けてスターマー氏は今年９月、自身の衣類費用を賄う寄付はもう受け取らないと表明。レイナー副首相とリーブス財務相も今後は衣類費用の寄付を受け取らないと説明した。 下院が今月２日に公表した通達によると、労働党の献金者で、スターマー氏に献金しているワヒード・アリ上院議員が利害関係の登録手続きをしなかった疑いで調査を受けている。