主要地ビールメーカーの出荷量が4年ぶりに減少 記録的な酷暑も物価高と天候不順に勝てず8.6%減
独自の味への追及で製品差別化 商品開発にも意欲
ビール大手5大メーカーが、地ビール、クラフトビールの製造販売に乗り出す動きも本格化している。これを受け、中小の地ビールメーカーも差別化に意欲を示し、「独自の味」に注力するとの回答が35社と、半数以上のメーカーが独自の味にこだわりをみせる。 また、「大手を意識せず従来通りの営業を進める」と独自の道を歩むメーカーも27社あった。「独自の味」「大手を意識せず従来通りの営業を続ける」など、大手メーカーの参入を前向きに受けとめ、独自路線を歩む地ビールメーカーも多い。 「宣伝・ブランディング」(15社)や「パッケージ(瓶や缶のデザイン)」(12社)に注力するなどの声も聞かれ、これまでの成長を背景に、大手メーカーとの差別化を進める中小メーカーが増えている。 商品の開発、または改善する予定では、最多は「種類を増やし、改善もする予定」が20社だった。また、「種類は増やさず、既存の商品を改善する予定」も14社で、5割以上のメーカーが、ニーズが盛り上がっている低アルコール商品などの開発にも意欲的であることが分かった。
メーカーの60%強が値上げを実施・予定、原材料の高騰が不安材料
商品価格について、「この1年で値上げを行った」は28社(構成比43.0%)、「まだ実施していないが今年中に値上げを予定」が15社(同23.0%)と、6割超のメーカーが値上げを実施、もしくは値上げを予定している。 一方、「値上げの予定はない」は18社(同27.6%)にとどまり、「値上げはしたいができない」が4社(同6.1%)だった。 今後の懸念(有効回答65社、複数回答)は、「原材料の高騰(燃料代含む)」が58社と9割近いメーカーがコストアップを懸念している。次いで、「人件費の高騰(採用難)等」が38社、「物価上昇による更なる消費の減退」が28社、「為替(円安)」が23社など。 また、「クラフトビールが増えすぎることでの競合」が21社、「急な需要増への対応」が5社だった。