英、PEファンドの成功報酬税率引き上げ 予想より小幅
Iain Withers Tommy Reggiori Wilkes [ロンドン 30日 ロイター] - リーブス英財務相は、30日に発表した予算案で、来年4月からプライベートエクイティ(PE)のファンドマネジャーが受け取る成功報酬(キャリードインタレスト)に対する税率を、現行の28%から4%ポイント引き上げて32%とする措置を発表した。業界で警戒されていたよりも小幅な引き上げにとどまった。税率大幅引き上げに反対するロビー活動を行っていた。 今回の措置は広範なキャピタルゲイン税率引き上げの一環。2026年4月からは成功報酬に関するルールをさらに変更し、「所得税の枠組み内で完全に課税」できるようにするとした。 成功報酬は、運用成績が一定水準を超えた場合にファンドマネジャーが受け取る報酬。英国で成功報酬を受け取っているのは3100人前後に過ぎないが、「PE長者」の誕生に一役買っている。 リーブス財務相は以前から成功報酬に関する税制の抜け穴をふさぐ意向を示していたため、所得税の最高税率である45%まで引き上げられるとの観測が生じていた。 法律事務所の税専門家は、業界では税率引き上げが小幅にとどまったことへの安堵感と、より広範な改革への警戒感が交錯しそうだと述べた。 政府は30日、今回の税率引き上げについて、成功報酬を得る仕組みは「独特」であり、他の報酬とは性質を異にすると説明した。