【特集】「ダウン症の子は育てられないと思った」思い悩む母が、実話をもとに描いた絵本『もし僕の髪が青色だったら』 「生まれた子どもに障害があったらどうしたらいい?」わが子からの問いで見つけた“答え”
【絵本より抜粋】 (エイデンくん) 「ねぇママ、もし僕の髪の毛が青色だったら、ママ僕のこと好きだった?」 (母・瑞穂さん) 「生まれたときから青色なの?」 (エイデンくん) 「うん そうだよ」 (母・瑞穂さん) 「どんな青色なの?」 (エイデンくん) 「魔法の石のような青色だよ。それでも僕のことママは好きなの?」 (母・瑞穂さん) 「もちろん大好きよ。きっとママも同じ色に髪の毛を染めたくなると思うな」 次にエイデンくんは、「自分が半分、猫だったら?」と尋ね、母・瑞穂さんは「もちろん深く愛している」と答えました。しかし一方で、エイデンくんからの問いかけの数々は、ダウン症のまりいちゃんとどう向き合うべきか当時悩んでいた、瑞穂さん自身に別の問いも投げかけていました。
(まりいちゃんの母 瑞穂さん) 「エイデンくんは多分私に『僕が学校行けなくても、お母さん僕のこと好き?』と聞きたかったんだけど、それはダイレクトすぎて聞けなかったから、きっと『髪の毛が青くて生まれても好きだった?』と聞いてきたのだと思います。でもそれは私に『染色体が3本でも好き?』という質問も同時にくるわけで…」 そして、最後にエイデンくんが尋ねたのは―。
【絵本より抜粋】 (エイデンくん) 「いつか僕がパパになって生まれてきた赤ちゃんが…障がいを持って生まれてきたら、僕はどうしたらいい?」 (母・瑞穂さん) 「パパとママがあなたたちを大好きなように、愛したらいい。心配しなくていいよ」 「まりいちゃんとどう一緒に歩んでいけばいい?」数えきれないほど自問自答を繰り返してきた母・瑞穂さん。絵本の最後に、瑞穂さんにとっての答えがありました。 ダウン症を巡っては、近年母体の採血で胎児の染色体について調べる「新型出生前検査」の普及が進んでいます。 (まりいちゃんの母 瑞穂さん) 「生まれる前に(ダウン症だと)分かっていたら、その時の自分だったら恐れおののいて、『心臓の病気が気になる』とか『上の子に迷惑がかかる』とか妄想が膨らんで、きっと産んでいなかったと思います」 そして、こう付け加えました。 (まりいちゃんの母 瑞穂さん) 「あのとき、ダウン症だと分かっていなくてよかったんですよ。本当に」