【特集】「ダウン症の子は育てられないと思った」思い悩む母が、実話をもとに描いた絵本『もし僕の髪が青色だったら』 「生まれた子どもに障害があったらどうしたらいい?」わが子からの問いで見つけた“答え”
我が子を題材にした絵は描けても、まりいちゃんの顔の特徴を押さえた「似顔絵」だけは、納得のいくように描けませんでした。
自問自答を繰り返してきた母が“答え”にたどり着いた親子の会話 そこから生まれた「もし僕の髪が青色だったら」
まりいちゃんは月に2回、ことばのトレーニングを受けています。 21番染色体が3本あるダウン症では、知的な発達の遅れを伴います。5歳のまりいちゃんは現在、2歳半程度の知能とされていて、将来、どれだけ言葉が使えるようになるかは、人により様々だといいます。 (言語聴覚士) 「話し言葉以外の非言語的なコミュニケーションがすごく豊かだから」 (まりいちゃんの母 瑞穂さん) 「まりいちゃんはコミュニケーション能力を…」 (言語聴覚士) 「持っていると思うよ」
日々、成長を重ねる3人のわが子たち。3人きょうだいの真ん中、りりいちゃんは、去年夏に、新たにスケートボードを習い始めました。初めて自分から「やりたい」と言ったそう。スケートボードに打ち込む姿を家族全員、興味津々見つめますが、兄・エイデンくんは…
(まりいちゃんの兄 エイデンくん) 「僕はりりいのような体育系じゃなくてオタク系なの」 兄・エイデンくんが大好きなのは、歴史。日本の城の絵を描くのが得意なのですが、以前は… (まりいちゃんの兄 エイデンくん) 「昔行っていた学校が、すごく怖いところだった」
エイデンくんには英語が分かる長所を生かして、世界に羽ばたいて欲しいと願って育ててきた母・瑞穂さん。しかし、小学1~2年生のころ学校になじめず、通えなくなってしまいました。毎朝、一緒に学校へ行っては、校門から中に入れず、連れ帰る日々…。 その後、転校を決意し、今では楽しく学校に通えるようになりました。母・瑞穂さんは、このときの育児経験を忘れまいと、ある絵本を作っていました。そのタイトルは「もし僕の髪が青色だったら」。
コピー用紙に印刷された1つだけの手作り絵本。完成後、何年も自宅の本棚で人知れず眠っていたものでしたが、「前、こんなものを作ったんです」と、母・瑞穂さんが取材班に見せてくれました。 絵本の内容は全て、エイデンくんが学校に通えなかった頃の実話に基づいています。ある日、エイデンくんは自らを「青色の髪の子ども」に例え、それでも好きでいてくれるのか、母・瑞穂さんに尋ねました。