中国籍の男女ら3人、ペーパー会社を設立登記 「トクリュウ」関連か、容疑で逮捕
無資格で会社設立の登記を行ったとして、京都府警捜査5課や外事課は13日、司法書士法違反の疑いで、京都市南区の中国籍の会社役員の女(34)ら男女3人を逮捕した。府警は、経営実態のない多数のペーパー会社を設立して開設した法人口座が、特殊詐欺グループによる詐取金の振込先として使われていたとみており、交流サイト(SNS)でつながって犯罪を繰り返す「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」との関連を調べる。 【現場写真】まるで民家のようだった、ペーパー会社が入る建物 他に逮捕されたのは、伏見区の中国籍の会社役員の男(56)と、中京区の会社役員の男(63)。 3人の逮捕容疑は昨年9月29日、司法書士の資格がないにもかかわらず、別の中国人を代表取締役とする会社を京都市南区東九条に設立する登記をした疑い。府警は3人の認否を明らかにしていない。 府警によると、3人は昨年8~10月ごろの短期間に37社のペーパー会社を設立。これらの会社の法人口座は、一部が別の犯行グループによる特殊詐欺事件の被害金の振込先になっていたみられ、トクリュウが関わったとされるSNS型投資詐欺の被害金1千万円の入金もあったという。府警は、3人が法人口座の売買を目的に会社を設立していたとみて調べている。 府警などの説明では、3人は、南区の会社の代表取締役になった中国人が最長5年の在留が認められる「経営・管理」の資格を取得する見返りに、数百万円の報酬も得ていたとみている。この会社の登記簿には、事業内容としてイベントや展示会への人員派遣などが記載されているが、活動実態はなかったとみられる。府警は、中国籍などの外国人にペーパー会社の役員に就かせ、在留資格を得させる不正も行っていたとみている。