割高でもインド株をなお選好、日本のバリュー株も人気-MLIV調査
M&Gインベストメンツのポートフォリオマネジャー、ビカス・パーシャド氏(シンガポール在勤)は「インドは保有するのに最適な市場だ」と語り、インド株は地域のベンチマークとして大きな役割を果たすだろうと指摘した。
インド株は現在、MSCI新興市場指数の18%を占めている。中国のウエートは25%で、数年前の40%超から大きく低下している。
回答者の41%はインドのインフラを特に明るいスポットとして挙げた。モディ政権は、2025年度予算でインフラへの配分を5年前の3倍以上となる11兆ルピー(約20兆円)余りに増やした。モディ首相は30年までの6年間で、重要インフラの近代化のために143兆ルピーを投資する見込みだ。
インドのインフラ・資本財の代表格であるラーセン・アンド・トゥブロの株価収益率は約30倍。一方、PNCインフラテックやJSWインフラストラクチャーなどは、なお10年間の平均バリュエーション以下の水準で取引されている。
インドは、中国に代わるグローバルな製造拠点としても急浮上しており、アップルなどはインドの製造施設を増強している。
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インドでは今年、国政選挙が控えており、モディ首相率いる政党がもし敗北すれば、インフラ整備と製造業推進の計画が頓挫する可能性はある。しかし、投資家は心配していないようだ。回答者の5分の4余りは、選挙が市場に与える影響はごくわずか、もしくは気にならないと答えている。
回答者の3分の1余りは、魅力的な投資先として日本のバリュー株も挙げた。
日本株上昇の主な理由の一つは、東京証券取引所が推進する企業改革だ。
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GMOのリサーチアナリスト、フミエ・キクチ氏は、「日本企業は東証の要請に真剣に対応している」と指摘。企業経営者の考え方が投資家と同じ方向にあるというのは大きな意味があると述べた。