わざわざ本籍地まで戸籍を取りにいかなくてもいい! 戸籍の広域交付制度が始まりました
保険金の請求や相続などで必要となる戸籍謄本(抄本)。 これまでは本籍地がある市区町村でなければ取得できなかったものが、2024年3月1日より最寄りの市区町村の窓口でも取得できるようになりました。遠方から本籍地まで赴いていた方にとっては、移動費などのコストが軽減されることでしょう。今回は法改正と戸籍についてみていきます。
戸籍・戸籍制度とは、何のためにあるの?
戸籍とは、日本人が産まれてから亡くなるまでの身分関係(出生、結婚、死亡、さらには親族関係など)について、登録かつ公証するためのものです。また、人の身分関係の形成(婚姻、離婚、縁組、離縁等)に関与する制度でもあります。 戸籍は、戸籍法に基づく届出により記録され、本籍地の市町村役場に保管されており、原則1組の夫婦およびその夫婦と同じ氏の未婚の子を編製単位として作られています。本人等が役所へ申請すると戸籍謄本を発行してもらえます。住民票には現住所だけが記載されていますが、戸籍謄本には本籍地と身分事項が書かれています。
戸籍には何が書かれているの?
戸籍に書かれている主な内容は、 1.本籍・氏名 2.筆頭者(戸籍簿の一番最初に記載されている人) 3.その戸籍の中に在籍する人の氏名と生年月日 4.父母・子等の続柄 5.出生日や婚姻日、養子縁組等の身分事項 となっています。
どのようなときに戸籍が必要となるの?
住民票と違い、戸籍が必要となるケースは限られています。例を挙げると、以下のようなケースで戸籍が必要です。 ・パスポートの発給を申請するとき ・本籍地以外の市区町村に婚姻届を提出するとき ・相続の手続きをするとき ・公正証書遺言を書くとき ・保険金の請求をするとき ・年金の請求をするとき ・養子縁組をするとき ・本籍の変更をするとき などが挙げられます。
戸籍の広域交付制度とは
前述のとおり、これまでは本籍地がある市区町村でなければ取得できなかった、あるいは、これは主に相続に関してですが、ほしい戸籍の本籍地が全国各地にある場合は、すべての戸籍がある市区町村で手続きをする必要がありました。しかし、これが最寄りの市区町村の1ヶ所の窓口で請求することができるシステムです。 その際に取得できる戸籍は、本人のものだけでなく、配偶者・直系尊属(祖父母・父母)、直系卑属(子や孫)の戸籍も請求できます。