震災後復帰戦0-7記録大敗にも熱い声援。コンサドーレ札幌が抱く覚悟と決意
実際、同28分に家長に先制点を決められるまでは、コンサドーレは前線から激しいプレッシャーをかけ続けてフロンターレを圧倒していた。 「2失点目がちょっと安すぎたというか、そこがすべてだったかなと思います」 都倉が悔やんだように、ミスで2点目を失ってからはコンサドーレがより前がかりになり、ボールを失ってはカウンターを発動され、失点を重ねる悪循環が繰り返された。 「科学的に見れば、もしかしたら影響があるのかもしれません。ただ、その後はしっかり1週間練習ができているし、やはり結果がすべてじゃないかと。勝っていたら『いい休暇になったんじゃないか』と言えると思うので」 2日間の自宅待機が与えた影響を含めて、5試合連続ゴールを逃した都倉はいっさいの言い訳をしなかった。昨シーズンの覇者を押し込めた時間帯を成長の跡ととらえ、「この敗戦ですべてが崩れ落ちるわけではない」と努めて前を向いた。 「目標であるACL出場権獲得は自分たち次第だと思っているので、悲観することなく、強い気持ちをもって残り試合を戦っていく。最後は彼らと共通の目標を達成して一緒に喜び合いたい、この悔しさを共有したい、目に焼きつけたいと思ってゴール裏のスタンド前に長くいました」 彼らとは言うまでもなく、最後まで声をからしてくれたファンやサポーターのこと。ホームの札幌ドームに常勝軍団・鹿島アントラーズ、そしてフェルナンド・トーレスを擁するサガン鳥栖を迎える次節以降から、気持ちも新たにコンサドーレは前へ進んでいく。 (文責・藤江直人/スポーツライター)